でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

書籍・雑誌

がっかり文学作品メモ

青空文庫を検索できるサイトで30分以下で読めかつ星3評価の条件となる作品を一通り読んで、いつからか持病になってしまった文学忌避症が寛解したと思われたため、1時間以上かかる作品にも挑戦してみることにした。楽しめるものもあったが、ここには記さな…

宝島

子供の頃、フィクション――主にアニメにおいて、子供が大人相手にいきって局面をいろいろいじくる展開がとても苦手だった。 失敗すればほれみたことかと思ったし、なんともなしに成功させればうそくせーと思ったし、ピンチを切り抜けて成功させてもやっぱりう…

KADOKAWAのメディアミックス全史 サブカルチャーの創造と発展

角川書店は憎悪の対象である。敵である。なぜかというと敵対的な行動を一方的に行ってきて被害を与えられ、和解に至るいかなる対話も行われていないからだ。 発端は、いわゆるお家騒動というやつである。被害は以下に列挙する通り。二番目のものは対象が複数…

読書記録

読書記録を思い立ったのは25年くらい前のことか、当初はアクセスに記録していたが、書籍というものがタイトルで一意にならないということに気付いて廃止した。体裁の違い(ハードカバー、文庫など)や再販でISBNも異なることに、長らく気づかなかった。古い…

チャリオンの影

ウメガトはふたたび杯を返して壺をとりあげた。 「ときとして、人が心をひらき、みずからを媒体として、神々を世界に迎えいれることがあります」そして杯を満たし、「聖者とは高潔な魂ではなく、うつろなる人間です。天与の意志を進んで神に与え、放棄するこ…

いやいやながらルパンを生み出した作家 モーリス・ルブラン伝

――彼(ジュール・クラルティ)は、シャーロック・ホームズにくらべてどれだけルパンが優れているかを主張した。なにしろモーリス・ルブランはある離れ業に成功している。前もってその犯人を知っているのに、犯罪によってかけられた謎に私たちは夢中になって…

『古代の女性官僚: 女官の出世・結婚・引退』『毒が変えた天平時代:藤原氏とかぐや姫の謎』

『古代の女性官僚: 女官の出世・結婚・引退』 いわゆる「女官」は古代日本では官僚のありようを示していたが、次第に高貴な女性の側仕え、あるいは後宮仕えという存在になっていった。天平時代あたりまでは、日本でも女性官僚はそれなりに存在したが、中央集…

目に見えぬ侵略

他者を非難する文章というものは、読んでいて辛いものだ。それが同意できる内容であったとしても。本書についても、中国だからあるだろうなと思いつつも、やはり読みすすめることは難しかった。 幼少の頃、かつての中国圏文化は日本の長兄的位置づけであると…

明治維新の意味

太平洋戦争について考えたとき、そこに至る遠因はなにかと思い、いろいろ読んだ。まずは黒船来航にありという思いを抱き、次に大航海時代に遠因があると感じた。 その過程で黒船来航後の日本は、なんだかんだでうまくやってきたんじゃないかと思うようにもな…

世界史を大きく動かした植物

タイトルのためであろう、序盤、小さくない違和感を得た、主語がものすごく大きな主張がある。 植物について特に詳しいわけではないので、知見を得たことについては真偽を問うこともできないが、上記のことを除いてはまあ楽しめたといえる。

ケルトの想像力

あちこちに掲載された雑誌記事をまとめたもの。そのためか、章ごとに文体が統一されていない。誤字がある。図の画素が荒い。モアレが出ている。など、体裁に不満がある。 文字を持たない文化であったケルトに関することごとを、残された芸術作品から著者が得…

地図づくりの現在形

書評サイトでレビュアーが熱く語っていたので、あてられた。 かつてツーリングをよくしたころ、地図は必需品だった。スマホの黎明期にスマホのナビゲーションでツーリングしたこともあったが電池切れとの戦いで、数時間の連続使用が限界だった。モバイルバッ…

中央アジア・蒙古旅行記

さて、わたしは上述の司祭たち(私注:仏教徒と思われる)のそばにすわってからーーそれは、寺院の内部へ入って大小さまざま、沢山の偶像を見たあとのことでしたーー神についてかれらがどういう信仰を抱いているかをたずねました。すると、 われわれは、ただ…

みんなの知らない世界の原子力

地元市立図書館の今月のオススメ的な棚から。 著者は自身の立場をニュートラルと称しているが、読後の印象では肯定派と思える。主に生活の立場から原発は必要ではないですか?と訴えているように見える。環境問題を絡めているあたり、恣意的に感じてしまう。…

サイバー・ショーグン・レボリューション

著者がMSE(メカ・サムライ・エンパイア)シリーズ、翻訳出版社がUSJ(ユナイテッド・ステーツ・オブ・ジャパン)シリーズと呼称するこのシリーズは、通して好みではない。なぜ3冊とも読んでしまったのか自分でもしかと理由は分からないが、気に入っている部…

兇月面

十代で初めて氏の作品に触れてから変わらぬことがある。ハラハラドキドキさせられることだ。しかし、十代の頃と意味は変わった。読み進めてふと我に返り、残りページ数がほんのひとつまみになってしまっても、物語の核心にミリも迫っていない。そんなときに…

邦人奪還

自衛隊や軍事、アメリカや北朝鮮について全く詳しくないので、本書が取り扱う内容がどれほどファンタジーなのか判断することはできない。アメリカの都合が生んだ自衛隊という組織のいびつさについて描写されているが、うのみにしてよいのかも判断がつかない…

ビット・プレイヤー

マップスにおける伝承族、ハイペリオンにおける転送網と無断借用の計算リソース、エンディミオンにおける不死による恒星間航行。好物といえる物語の構成要素を、本短編集に収められている『鰐乗り』に見出して、グレッグ・イーガンへの評価は定まった。 本書…

「色のふしぎ」と不思議な社会

医療に限らず、学問とはすべて発展途上、言葉が悪ければ漸次進歩するものであり、学識とはその刹那において最新のものでしかない。個人的な体験としては、ある薬の副作用と思われる症状でふくらはぎがめっぽうかゆくなった。患部を見ると皮下で炎症を起こし…

KGBの男

スターリン時代に情報機関の幹部を務めたパーヴェル・スドプラートフは、西側諸国でスパイをスカウトしようとする情報員に、次のような助言を与えている。「運命や生来的特徴によって傷ついている者を探せ――醜い者、劣等感にさいなまれている者、権力や影響…

イリアス、オデュッセイア

また、テュンダレオスの妃、レデ(レダ)にも会った。彼女はテュンダレオスとの間に、豪胆な二人の息子、馬を馴らすカストルと、拳闘の名手ポリュデウケスを儲けたが、ものみなに命を授ける大地が、生きながら二人を蔽っている。二人は地下にありながら、ゼ…

白銀の墟 玄の月

本書を知ったのは発刊数か月前の告知であり、その時まず思ったのは全四巻という構成に対する不安だった。前もって四巻と謳ったからには、上中下完結編123のような悪夢はないとしても、いささか長すぎるのではないかと感じたからだ。大は小を兼ねるという…

ベレンとルーシエン

『指輪物語』『ホビットの冒険』『シルマリルの物語』と読み、『指輪物語』は数回以上、『ホビットの冒険』は一回、『シルマリルの物語』は数回程度読んだ。 『指輪物語』では世を憂う賢者として、『ホビットの冒険』では非常に俗な存在として、『シルマリル…

北斎になりすました女

FGOをやっていなければ、葛飾北斎に娘がいたことを、その名をお栄、画号を応為と称した娘がいたことを知らずにいただろう。本書に興味を抱いたかも不明である。 名詞や年号を記憶して成績を問われた歴史という学問は、苦手で嫌いだった。そういったものから…

虫たちの越冬戦略

本書のタイトルから期待した内容は、 昆虫全般の網羅的なものであること 学術的というよりは読み物として楽しめるもの であったが、前者については著者の研究事例に基づく少数の昆虫と、著者が知る多くはない例についてのみ、後者については論文と科学解説書…

国盗り物語

「一人出家すれば九族天に生ず」という信仰習慣があり、たとえば日護上人などもその習慣から僧にさせられ、一族で建てた常在寺の住僧になったのである。余談だが、この習慣はほんの最近まで岐阜県につよく残っており、この県出身の僧侶が多い。 第二巻 P.168…

勝者なき戦争

しかしながら、一九〇五年夏のポーツマスにおける交渉のほかに、日米間で進行中の事案が存在した。セオドア・ローズヴェルトは、戦勝国日本と敗戦国ロシアの間の講和会議を主催する約一か月前、アメリカ史上最大の外交使節団をアジアに派遣していた。陸軍長…

ウィッチャー

ゲーム盤『ウィッチャー3』は操作感に慣れず放置している。 そんなとき、ネトフリにドラマ版があることを知ってネトフリに復帰、すごいいいところで続く?なカンジになっており、続きが気になって仕方がなかったのでぐぐってみたら原作小説が存在することを…

幻のアフリカ納豆を追え! : そして現れた<サピエンス納豆>

本来、儒教が強い韓国にキリスト教が普及した要因としては、日本植民地時代にキリスト教会が抵抗運動を行ったとか、韓国に伝統的なシャーマニズムとキリスト教の相性がよかったからだといった説があるようだが、カンさんは独自の見解を持っていた。「もとも…

妻という名の魔女たち

フリッツ・ライバーは『ファファード&グレイ・マウザー』シリーズで知った。30年以上昔のことである。他の著作は知っていたが手を出さず、ひたすら同シリーズの続刊を待ち焦がれ、待ち焦がれてついに発刊された『妖魔と二剣士』にひどくがっかりした。がっ…