でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

兇月面

十代で初めて氏の作品に触れてから変わらぬことがある。ハラハラドキドキさせられることだ。
しかし、十代の頃と意味は変わった。読み進めてふと我に返り、残りページ数がほんのひとつまみになってしまっても、物語の核心にミリも迫っていない。そんなときに『魔宮バビロン』のトラウマが蘇る。『エイリアン魔神国』の悪夢が思い出される。長らく遠ざかっていた理由でもある。
久々に読んでみる気になったのだが、よい再会ではなかった。本作品におけるそれはトラウマにはならないだろうが、氏の評価を確定するものにはなりそうだ。

本作品には、記憶を揺さぶられる二つのモチーフないしはガジェットが登場する。一つは「ノアの箱舟」。もうひとつは「ドラムバッグ」だ。

前者は『エイリアン魔界航路』では巨大な風呂敷として機能していた。後者は『黙示録戦士』のヒーローが使用する武器だった。よい記憶として残っているそれらが、本作品では非常に残念な扱いになっている。

本書のあとがきによると、魔界都市作品は新幹線車内で15分で書き上げることができるそうである。吸血鬼ハンターはその必要さえないそうだ。
まあ、15分にしてはよくできてる。