でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

邦人奪還

自衛隊や軍事、アメリカや北朝鮮について全く詳しくないので、本書が取り扱う内容がどれほどファンタジーなのか判断することはできない。アメリカの都合が生んだ自衛隊という組織のいびつさについて描写されているが、うのみにしてよいのかも判断がつかない。

 個人的嗜好としては、例えば戦闘中に、敵対するものを目の前にして始まる会話が苦手である。会話の間中、5分も10分も待ってしまう敵も嫌いだし、敵から目をそらす武芸者も嫌いだ。
本作品に登場する戦闘員は皆プロフェッショナルである。そのように感じさせてくれる。先に述べたような学芸会的状況は一切ない。その一点だけで、非常に爽快に物語を読み進めることができた。

とはいえ、気になるる点がないわけではない。
自衛隊の、現場にいる人物がヒーローなので、その他は劣等な扱いを受けてすぎていると感じられる。シン・ゴジラと同程度には許容できるとはいえ、さもありなんと思わせるとしても、実際はもうちょっとましなんじゃないかと信じたい描写がある(シン・ゴジラでは逆に、日本の統治機構はこんなにスマートに事を運べはすまいと思ったことは余談である)。
著者は自衛隊出身であり、本書は兵員視点の物語である。官僚視点、政界視点、自衛隊高官視点の反論(創作物として)が欲しいところだ。