でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

国盗り物語

「一人出家すれば九族天に生ず」
という信仰習慣があり、たとえば日護上人などもその習慣から僧にさせられ、一族で建てた常在寺の住僧になったのである。余談だが、この習慣はほんの最近まで岐阜県につよく残っており、この県出身の僧侶が多い。


第二巻 P.168

 なるほど、革命は、美と善を目標としている。すべての陰謀も暗殺も乗っ取りも、革命という革命家自身がもつ美的世界へたどりつく手段にすぎない。
 革命家にとって、目的は手段を浄化する。

第二巻 P.179

 司馬史観という言葉は知っている。だが、それを云々できるほど司馬遼太郎作品に触れていない。『坂の上の雲』に続き、二作品目となる。
本作品を読むうちに、司馬史観というものがなんとなく察せられるようになった。読ませる文章には説得力があるということだ。

「時代小説」というものは、もっと積極的にフィクションであることを強調すべきだど思う。歴史をなぞっているのだから、ある程度、というかかなりの度合い、史実に沿っていると、かつて思っていた。
青さもだいぶ抜けた頃にそうではなく、あくまで小説なのだと理解するようになったが、つまり時代小説の態度というものが、司馬史観なる言葉を生む素地なのであろうと思う。

菊地秀行夢枕獏も読まなくなって久しい。かつて耽溺していたころ、ルーツはどのあたりにあるのだろうと漠然と考えていたが、ふと、ルーツとまではいかなくとも要素の一つとして司馬遼太郎があるのではないかと思えた。