でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

KGBの男

スターリン時代に情報機関の幹部を務めたパーヴェル・スドプラートフは、西側諸国でスパイをスカウトしようとする情報員に、次のような助言を与えている。「運命や生来的特徴によって傷ついている者を探せ――醜い者、劣等感にさいなまれている者、権力や影響…

イリアス、オデュッセイア

また、テュンダレオスの妃、レデ(レダ)にも会った。彼女はテュンダレオスとの間に、豪胆な二人の息子、馬を馴らすカストルと、拳闘の名手ポリュデウケスを儲けたが、ものみなに命を授ける大地が、生きながら二人を蔽っている。二人は地下にありながら、ゼ…

白銀の墟 玄の月

本書を知ったのは発刊数か月前の告知であり、その時まず思ったのは全四巻という構成に対する不安だった。前もって四巻と謳ったからには、上中下完結編123のような悪夢はないとしても、いささか長すぎるのではないかと感じたからだ。大は小を兼ねるという…

ベレンとルーシエン

『指輪物語』『ホビットの冒険』『シルマリルの物語』と読み、『指輪物語』は数回以上、『ホビットの冒険』は一回、『シルマリルの物語』は数回程度読んだ。 『指輪物語』では世を憂う賢者として、『ホビットの冒険』では非常に俗な存在として、『シルマリル…

北斎になりすました女

FGOをやっていなければ、葛飾北斎に娘がいたことを、その名をお栄、画号を応為と称した娘がいたことを知らずにいただろう。本書に興味を抱いたかも不明である。 名詞や年号を記憶して成績を問われた歴史という学問は、苦手で嫌いだった。そういったものから…

虫たちの越冬戦略

本書のタイトルから期待した内容は、 昆虫全般の網羅的なものであること 学術的というよりは読み物として楽しめるもの であったが、前者については著者の研究事例に基づく少数の昆虫と、著者が知る多くはない例についてのみ、後者については論文と科学解説書…

国盗り物語

「一人出家すれば九族天に生ず」という信仰習慣があり、たとえば日護上人などもその習慣から僧にさせられ、一族で建てた常在寺の住僧になったのである。余談だが、この習慣はほんの最近まで岐阜県につよく残っており、この県出身の僧侶が多い。 第二巻 P.168…

勝者なき戦争

しかしながら、一九〇五年夏のポーツマスにおける交渉のほかに、日米間で進行中の事案が存在した。セオドア・ローズヴェルトは、戦勝国日本と敗戦国ロシアの間の講和会議を主催する約一か月前、アメリカ史上最大の外交使節団をアジアに派遣していた。陸軍長…

ウィッチャー

ゲーム盤『ウィッチャー3』は操作感に慣れず放置している。 そんなとき、ネトフリにドラマ版があることを知ってネトフリに復帰、すごいいいところで続く?なカンジになっており、続きが気になって仕方がなかったのでぐぐってみたら原作小説が存在することを…

幻のアフリカ納豆を追え! : そして現れた<サピエンス納豆>

本来、儒教が強い韓国にキリスト教が普及した要因としては、日本植民地時代にキリスト教会が抵抗運動を行ったとか、韓国に伝統的なシャーマニズムとキリスト教の相性がよかったからだといった説があるようだが、カンさんは独自の見解を持っていた。「もとも…

妻という名の魔女たち

フリッツ・ライバーは『ファファード&グレイ・マウザー』シリーズで知った。30年以上昔のことである。他の著作は知っていたが手を出さず、ひたすら同シリーズの続刊を待ち焦がれ、待ち焦がれてついに発刊された『妖魔と二剣士』にひどくがっかりした。がっ…

悪党芭蕉

悪党芭蕉。 この言葉から想起されるものはなんであろうか。本文にはそれをこじつけるような描写はあれど、具体的な例についてあげていない。弟子にものすごい遊び人がいたり、罪人になってしまった者がいたり、ろくでなしがいたとして、そういう人物を好んで…

熱源

読み終えて数日、読後感に名をつけようと試みてきたが、うまく果たせない。こんな物語を読んだ時にまず脳裏に閃いてしまうのは『石と笛』だ。 『石と笛』は、偉大なことを成す力をもって生まれたものが道を誤り、最も輝かしい成功からは遠ざかりつつも、それ…

暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて

『夜の言葉』は拝読させていただいた。まだ『帰還』が発表される前のこと、アースシーの世界をこよなく愛していた頃のことだ。 『帰還』は正直、ものすごくがっかりした。作者自身が構築した世界を自ら否定しているような気にさせられたからだ。 以後、ル・…

みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史

前半に透けて見えるのは、おそらく読むであろう関係者への迎合。後半に刻まれているのは、日経コンピュータのドヤ顔。 前半は苦闘の末に実を結んだ健闘を讃えている風に見える。ぬるい内容だが、その中に「このシステムの中核がCOBOLである」ことがさらっと…

反日種族主義

韓流というものが流行った時すでにTVを見なくなって久しく、どのようなものなのか興味を覚えたのは何年かしてからのことだったと思う。チャングムが人気でドラマをやっているようだと理解していた。流行りを知るのであればそれでよいかと考えたが、TVは見な…

いちばん詳しい「北欧神話」がわかる辞典

北欧神話はざっくりと知っている程度で、いろいろと知らないような気がしたので何か読んでみることにした。内容を云々できる知識はないが、本書は北欧神話を網羅的に扱っており、ざっくりとしか持っていない知識を補完するのにちょうど良いと思える。 本書は…

砂と人類

コンクリート、アスファルト、ガラス、シリコンチップ。現代文明に欠かすことのできない資源としての砂を、本書は語っている。砂はどこにでもある。そんなイメージがある。最も豊富な資源、本書もそう述べている。それが枯渇しつつあるという。 コンクリート…

潜行三千里

著者のイメージは安彦良和画のアレが強いので、それが読書に影響を与えたかもしれない。戦争終結直後の中国の様子、情勢を知るにはよい書だとしても、だから著者が潜行を志した理由が表面的なものにしか見えない。著述の通りの行動をしているならば、中国と…

平壌「十五号官邸」の抜け穴

十年近くたって、ぼちぼちと手をつけ始めた亡父の蔵書より。 タイトルはキャッチ―。小節を割いて紹介されている程度で、本題では全くなく、この本になんでこのタイトルのかついたのかと考えれば、そう結論付けるしかない。見識を全く持たないので、タイトル…

もものかんづめ

さくらももこ氏の作品に触れた機会は少なく『ちびまる子ちゃん』を数話ほど、「TVに映っていたので見た」程度である。氏の訃報を知った時、追悼がいくつかTLに流れてきた。そこで本書を知り、これも機会であろうと弔意をもって読んでみることにした。 なじみ…

風の帰る場所

押井守 ――『攻殻機動隊』も観ていらっしゃらないんですか? 「観てないです」 ――押井守さんから、宮崎さんについては、いろいろ面白いコメントをいただいているんですけど、宮崎さんからはどうなんですか? 「いや、なにを犬に狂ってるんだ、バカってね(笑…

夢の宇宙誌

ところで、たまたま古新聞の切り抜きを集めたスクラップ・ブックをぱらぱら繰っていると、このわたしの直観をまさに裏書するような、ある科学的な仮説を立てた学者の見解を紹介した記事が偶然にも出てきて、わたしの目には、その古新聞の小さな囲み蘭に否応…

かくしてモスクワの夜はつくられ ジャズはトルコにもたらされた

革命を契機とする国の変革が、無視無欲の平和的なものになるはずがなかった。レーニンいわく、あらたに権力の座についたプロレタリアートの使命は「盗人から盗め」だった。農民と労働者はこの言葉を額面通りに受けとり、都市でも農村でも、裕福な家や地所、…

ミヤザキワールド

それでも、監督が生まれた年の日本は、うまく時運に乗っているように見えた。伝統的な制度や習慣を切り捨て、学校制度からステーキディナーに至るまで欧米のものと入れ替えることで、日本は近代化に成功した初めての非西欧国家となったのである。一九三〇年…

図解雑学ハプスブルク家

ハプスブルク家について俯瞰したいと思い立ち、適当と思えたので読んでみた。ほとんど何も知らないので内容の確かさを云々することはできないが、目的を達成することはできたと思う。本書の難をあげると、中盤あたりからおそらくは洒脱を狙った表現が散見す…

ペインティッド・バード

ブンガクというものが嫌いになったのは、大学時代の教養科目であった英文学的な講座を選択した後のことだと思う。小学校、中学校では国語は得意で、「作者の気持ちを云々」「登場人物の云々」というようなテスト問題にも正解を得られていたことはさておき、…

スクエア・アンド・タワー

危険な野心は、政府の堅固さと効率を求める熱意の近寄り難い外見の下よりも、人民の権利を求める熱意のもっともらしい仮面の陰に隠れていることのほうが多いものだ。後者は前者よりも、専制政治の導入への、はるかに確実な道であると判明していること、そし…

奴隷船の世界史

したがって、年季奉公人制の実態は、一言でいえば「偽装された奴隷制」にほかならなかったのである。年季という制限はあったものの、労働実態は奴隷制下と変わらなかった。あるいは、ジャマイカに派遣されたある有給判事が報告したように、奉公人の状態は奴…

マオ―誰も知らなかった毛沢東

(一九三一年末のこと)[ひとりの役人がやってきて]手帳を取り出し、名前を読み上げはじめた。名前を呼ばれた者は中庭へ行って立って待つように、という命令だった。中庭には武装衛兵がいた。何十もの名前が読み上げられた・・・・・・わたしの名も呼ばれ…