でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

書籍・雑誌

ジャガイモのきた道

縁は、TwitterのTL。 シェルパという言葉を初めて知ったのはたぶん間違いなく夢枕獏の小説からであり、その時は職業を表す言葉という印象を得た。本書では部族あるいは民族名を表すと記されており、印象が更新されたことは余談である。 学術の書というと、先…

フィーヴァードリーム

フロム・ソフトウェアの新作発表に触発され、読んだ記事の中に本書の名前を見つけた。 www.famitsu.com G・R・R・マーティンの作品は『氷と炎の歌』しか読んだことがない。たぶん第四部まで。そこまで読んで、完結して気が向いたら読もうという扱いにした。…

街娼

十年ほど前になろうか。近代日本を形作ったものはなんであろうかと調べて、太平洋戦争とその戦後、日清日露戦争あたりまでさかのぼって、舶来品の植民地主義、帝国主義あたりが要点であると総括し、とりあえずの興味を満たした。そのとき読み漁った幾つかの…

実装パターン

不意に流れてきたツイートに触発されて、読んでみることにした第二弾。 以下に本書の印象を列挙する。 本書はJavaが読めることを前提に書かれているとのこと 7章終盤以前は、JavaをJavaでない言語感覚で説明しているカンジがする 最後の章を除いて、各章の結…

カリスタの石

「ダンブルドアはゲイ」という著者自身によるカミングアウトを必要としたのは、『ハリー・ポッター』シリーズ読者層のどの辺だったのだろうか。個人的には不要な情報だった。もともと一巻の終わり方で当方むけではないと感じていたし、それでもシリーズ完結…

旅のラゴス

読んだと思い込んでいたが、読んでいなかった。 でも多分、今読んだことは幸いであっただろう。ヨーロッパ的雰囲気のファンタジーを求めていた頃に読んでいたならば、趣味に合わぬと一蹴していたかもしれないから。 その頃から随分と経った今だから、手にな…

MONUMENT あるいは自分自身の怪物

序盤は辛かった。俺向きの作品なのか?とずっと脳裏に反芻しながら読んでいた。 中盤ではそんなことは忘れた。 登場人物が織りなす物語については、好き好きであろう。個人的にはあまり好きではない。類似する作品もあまり好きではない。しかし、面白かった…

ニューロマンサー

およそ30年前、学生時代に友人から勧められたが、読んだのはその数年後だったように記憶している。『クローム襲撃』『カウント・ゼロ』『モナリザ・オーヴァドライブ』と読んで、そこでフォローをやめた。なんだかよくわかんなくなったためである。 初読当時…

amazon 世界最先端の戦略がわかる

ちなみにCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)がマイナスであることが、以下に有利なのかを示す例がある。縮小傾向にある出版業界と、勢いのあるウェブメディアの違いだ。 日本の出版社のCCCは、一般的にプラス180日だ。日本の出版社では、卸を通し…

リーダブルコード

不意に流れてきたツイートに触発されて、読んでみることにした。 読みやすいコードを書くことは社会人になってからわりとすぐ気を付けるようになったことで、動機としては保身の意味合いが強い。 火事場に投入される コメントのないグローバル変数満載のコー…

クロコディル 一八世紀パリを襲った鰐の怪物

「パリを舞台にした帝都物語」なんてレビューを見かけたものだから、つい読んでしまった。 とんでもない。 既知の読物として印象がかぶるのはクロウリーの『ムーンチャイルド』、ダンテの『神曲』。読者をけむに巻く描写が前者を彷彿とさせ、著者が念頭に置…

シュメル神話の世界

本書からは、先日読み終えた『シュメール―人類最古の文明の源流を辿る』では得られなかった当時の世界観のようなものを感得できたような気がする。いずれも出土品から推測した事物を元にしているはずなのに、切り口で受け取る印象が異なるというのは我ながら…

会計が動かす世界の歴史

歴史という授業が好きではなかった。否、暗記を要する学問は全て。本書のような書籍を読むたびにそのことを思い出す。しかし、歴史は面白い。中学の科目でいうところの地理も。だが、単語とその意味するところを暗記するだけの「学問」から、それを知ること…

マンガでわかるフーリエ解析

TwitterのTLに流れてきた。良書だとコメントがついていたので、読んでみる気になった。微分積分をきちんと理解しないまま、必要に迫られて使う羽目になったFFTを根性で乗り切り以後数十年。一度たりともフーリエ解析はおろか微分積分すら使わずに来て、すっ…

光圀伝

見出された義を信ずることは、ときとして信仰にも似た心持ちとなる。 信義も信仰も、様々な妨げを乗り越え、見失ってはまた新たに見出すということを延々と繰り返さねばならないからであろう。ただし信義が信仰と違うのは、論拠あってこその信義であり、信仰…

幻想の経済成長

実際に起きた最悪の事態とは、金融システム全体が崩壊寸前に陥った結果、金融メルトダウンの進行を阻止する最終手段として、数千億ドルもの税金が救済策に投じられたことだった。これまで何度も指摘されているように、金融業とは富裕層にとっては社会主義だ…

大英帝国の歴史

この著者の特徴的な筆致は例えば、イギリス生まれのアメリカ国籍のある男について語るとき、アメリカ国籍であることを強調したうえで裏切者でトリガーハッピーであるとまず紹介し、デイヴィット・リヴィングストンとの邂逅では「イギリス紳士のように慎み深…

『アヴァロンの霧』シリーズ

後に続く人類のために一つの神秘、一つの幻の源を残しましょう・・・・・・ アヴァロンの霧シリーズ ハヤカワFT119『円卓の騎士』P.311より、モーゲンの言葉 マリオン・ジマー・ブラッドリーを読むようになったのは1987年ごろのことだと思う。小説を読むよう…

脆弱性診断スタートガイド 第2版

およそ三年前のこと、『ブラウザハック』を読んで生返事のような感想しか得られなかった門外漢が、Webセキュリティを学ぶとっかかりとして本書は非常に有用であったと感じる。当方の個人的な目標を達するには不足ではあったが、一部を大いに満たしてくれた。…

炎の戦士クーフリン/黄金の騎士フィン・マックール

ローズマリー・サトクリフの作品を初めて読んだのは2015年のこと、そのときに『第九軍団のワシ』 『銀の枝』『ともしびをかかげて』を読んだことが備忘録にある。備忘録にはまた同著のアーサー王伝説を読んでみたい旨が記されているが、失念していた。 ケル…

ヘルプ 心がつなぐストーリー

原題にはない、邦題で追加された文言についてはもはや語るまでもなく。 『物理学的ストーリー創作入門』で大きく紹介されていた二冊のうち、対象読者であり得ると思えた方。もう一方は『トワイライト』シリーズの亜種らしく、そちらは対象読者ではあり得なか…

魔術師の帝国《1 ゾシーク篇》《2 ハイパーボリア篇》 (ナイトランド叢書)

『魔術師の帝国』と聞いて頭にまず思い浮かぶのはフィーストの『リフトウォーサーガ』で、C・A・スミスのそれではない。これは、30年くらい前のファンタジー情報で「ゾシーク」というキーワードを得ていてもそれを読む術を見出せずにいたことに由来する。 C…

入門 監視

そもそもの話は、2年半ほど前にラズパイを入手したことから始まる。それ以前に見知ってはいたが、行動に移すネタに欠け、触れずにいた。ラズパイでエアコンを操作するという記事を見かけたことが動機となった。 最初に実装した機能は「Slack経由で冷房をON/O…

Docker実戦活用ガイド

ここ数年、いたるところで目にするようになったDockerとはなんぞと思いつつ、VM的なナニカという程度の認識で過ごしてきたが、やりたいことにDockerというキーワードが入っていたので知ってみることにした。Webで得られる知見でもなんとかなったが、一つの目…

物理学的ストーリー創作入門

『工学的ストーリー創作入門』を読了して、興味を覚えたために続刊に当たる本書も読むことにした。 「興味」には向学的なものと疑念めいたものが含まれる。向学的興味は「ストーリーの物理とはなんぞや」に集約される。「疑念めいたもの」は、著者が主張する…

物語 北欧神話

北欧神話のタームに初めて触れたのは、少年ジャンプに掲載された『コスモス・エンド』だと思う。その次がたぶん『ラグナロック・ガイ』。 TRPGに傾倒した頃には著名な神々の名と逸話を一通りさらったような気もするが、物語として読んだことはない。「オーデ…

ドラル国戦史

一年くらい前に『ベルガリアード物語』を面白く、『マロリオン物語』を生暖かく再読した折、もう少しエディングスに浸っていたいなどと思ってしまったたことが間違いだった。『魔術師ベルガラス』で眉を顰め『女魔術師ポルガラ』の読破を諦めた過去を失念し…

いまさらですがソ連邦

タイトルとカバーイラストに惹かれて。絵柄に見覚えがあると思ったら、前にちょっとだけ読んだ『大砲とスタンプ』の方だった。 ソ連については第二次世界大戦時の日本からの視点で著された本を読んだことがあり、その本によれば当時アメリカは非帝国的なもの…

工学的ストーリー創作入門 売れる物語を書くために必要な6つの要素

漫画作品に対しては割と早い時期からそういうものであると認識していたように思う。小説作品に対してはたぶんハイティーンの頃にそうではないかと気付いた。 著者が物語をコントロールできていない商業作品が存在する、ということにだ。 それまでは漫画をお…

図解まるわかり セキュリティのしくみ

セキュリティの実践入門本みたいなのを期待したのだが、違った。情報システムのセキュリティをいきなり押し付けられたような立場の方が、どんなことをしたらよかんべと参照するインデックスとしては適当であろうと思う。個人的には復習と補完にはなった。