でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

大英帝国の歴史

この著者の特徴的な筆致は例えば、イギリス生まれのアメリカ国籍のある男について語るとき、アメリカ国籍であることを強調したうえで裏切者でトリガーハッピーであるとまず紹介し、デイヴィット・リヴィングストンとの邂逅では「イギリス紳士のように慎み深く振る舞った」と述べる。

そんな人物が語る、「あしきもの」として世界的に名高いイギリス帝国のなりたちと、それがもたらした「よきもの」についての書。

イギリスは、先駆者たるスペインやポルトガルを模倣した――ほう。
ローマ教皇は、スペインにはアメリカとの、ポルトガルにアジアとの有線貿易権を与えた。カソリック勢力に対抗するためにプロテスタントたるイギリスは動き出した――なるほど。
わかった、悪いのはイギリス帝国ではない。キリスト教だ。ありがとうイギリス人。教えてくれて。そうではないかと思っていた通りだった。

やったことを記してはいるが控えめに、やられたことは自業自得であるのにヒロイックに悲劇的に、そして「俺たちだけじゃない、あいつらもやってる」と例を枚挙する。
奴隷貿易してたけど、反省して奴隷貿易を廃止したし、他国の奴隷貿易を妨害したんだよ。自省する唯一の国なんだ、イギリスは。わかるだろ?
キリスト教を信じない人々、キリスト教圏から見て野蛮な風習を持つ人々をキリスト教化して文明へ導こうとしたんだよ、でもやつらは逆らったんだ。イギリス帝国にも犠牲も出てるんだよ。
上からものを見て一方的に押し付けてくるのは、唯一の神にすべての責任を押し付ける奴らのやり方だ。