でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

物語 北欧神話

北欧神話のタームに初めて触れたのは、少年ジャンプに掲載された『コスモス・エンド』だと思う。その次がたぶん『ラグナロック・ガイ』。

TRPGに傾倒した頃には著名な神々の名と逸話を一通りさらったような気もするが、物語として読んだことはない。「オーディンは、知恵と魔法を得るために片目を奉げ、自らを吊るした」という逸話は知っていても、どんな性格で、どんなふうに振舞うのかはわからないままに過ごしてしまった。

以上が、本書を手に取るに至った背景と動機。

今回、エッダを引いて物語化したという本書からは、北欧神話の神々のアホさ加減とトールの脳筋ぶりをいやというほど知ることができた。The Elder Scrollsに登場するSheogorathは狂っているが、北欧神話ではデフォってカンジ。ギリシャ神話の神々もたいがいアホだが、それを凌駕する底抜けのアホっぷりである。読んでよかった。

北欧神話がもつ厨二力は凄まじい。前世紀の古き良き西欧発ファンタジーはのきなみやられている。滅びのさだめをもつ神話は、他にないユニークな魅力にあふれているということだろう。
二次的にせよ原典を知ることによって、影響を受けた素晴らしい作品たちの魅力が改めて浮き彫りになったと感じられる。たとえば、本書で語られているオーディンの神としての言動はほとんどアホだが、旅をする姿は別人のように凛々しい。灰色の放浪者の原典と見て間違いない。

長年、耽溺したいと願いつつ果たせぬままでいる『Rune Quest』に対する思いをまた新たにしてしまった。