でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

ニューロマンサー

およそ30年前、学生時代に友人から勧められたが、読んだのはその数年後だったように記憶している。『クローム襲撃』『カウント・ゼロ』『モナリザ・オーヴァドライブ』と読んで、そこでフォローをやめた。なんだかよくわかんなくなったためである。

初読当時、現在よりもSF的なものに初心であり、ファンタジーの一種として、あるいは『攻殻機動隊』の原典・亜種として楽しんだように思う。
当時、世間では黒丸訳wな風潮があったようだけれど、あまり気にせず楽しめたのはやはりファンタジーとして認識していたからだろう。「クールを気取った滑り気味な文体w」を揶揄していたのだろうと、今ならわかる。訳者は必ずしも母国語に堪能というわけではないのだ。文学的素養を持ち合わせているわけでもない。

再読して思うのは、すべてはここにあるということ。光学迷彩も、草薙素子も、人形使いも、ストリートサムライも、全部。
その一方で、サイバースペースを象徴するガジェットはハードウェア的なものであり、ソフトウェアという概念はほぼ皆無であるように思える。1984年の作品であれば、さもありなん。ネットワークを登場させただけでも驚愕に値する。
世間も未熟であった。ニューロマンサーは「ネクロノミコン」のもじりであるなどと「解説」されていたりする。本文中にネクロマンサーって書いてあるのに。

いわゆるファンタジー作品がゲーム作品を通じて特定層の一般教養となり、メタ要素を恥ずかしげもなく物語世界に適用するようになった現在からすれば古びて見える。しかしながら、幻想に逃げた部分はあれど、創造的な空想を楽しめる作品だといえよう。
ヒデオかっこいいよ、ヒデオ。