でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

シュメル神話の世界

本書からは、先日読み終えた『シュメール―人類最古の文明の源流を辿る』では得られなかった当時の世界観のようなものを感得できたような気がする。いずれも出土品から推測した事物を元にしているはずなのに、切り口で受け取る印象が異なるというのは我ながら興味深い。

本書を読み終えて、いまさらながらに『ドルアーガの塔』のWikipediaを見てみると、本書を通じてそうではないかと感じたことが列挙されていて、参照すべき順を間違えた気もする。「そうではないかと感じたこと」とは、カイの由来、ドルアーガの由来である。ついでにクオックスの由来も記されていた。

本書から新たに得た個人的感想としては、ミドルアースやアースシー、『熱砂の大陸』にもシュメール神話から得た着想が混じっていたのだろうかというものがある。特にアースシーで描かれていた冥界の様相は、本書に記されていたシュメールの冥界とひどく似ている。根の国のイメージを持つ者としては違和感のない冥界描写だったが、西欧社会ではどのように受け止められたのだろうか。
また、神話の終焉が存在する点で北欧神話と似ているが、外的要因によってではなく、自ら定めた滅びによって文明(都市)が終焉するさまが描かれているのは非常にユニークであると感じられた。

FGOに登場するシュメール勢はアッカド語表記名で、シュメール勢というよりはバビロニア勢というべきなのだろうが、在り方はシュメール的である。というよりはドルアーガ勢なのであろう。
などと思ったことは余談である。