でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

書籍・雑誌

古代日中関係史

魏志倭人伝に卑弥呼の名が現れるとか、厩戸皇子が「日出処の~」と書いた書を送ったとか、そういうキーワードだけしか知らない者ではあるが、中国の歴史と日本の歴史を対照するとどうにも腑に落ちないというか、違和感、ギャップのようなものを感じていた。 …

小説 東のエデン 劇場版 The King of Eden Paradise Lost

本編をアマプラで久々に二度目の視聴をした。一度目で覚えていることといえばミサイルの応酬で終わって残念というものだったが、二度目ではミサイルで始まってるんだからミサイルで終わるのが筋かと思い直し、評価は上昇した。 見るつもりで忘れてたのか、一…

ロード・エルメロイII世の事件簿 2「case.双貌塔イゼルマ」

ミステリーが嫌いだ。 80~90年代にテレビでやっていたような事件ものドラマにおいて、まず自身のそんな特性に気付いていった。金田一少年の裏事件簿ではセルフパロディとして犯人たちの行動をネタにしているが、当時、そのようなことを思い至るにあたり、楽…

オーバーロード 1 不死者の王

自らかしたゆるい誓いに、なるべく未完の作品は読まない、というものがある。 楽しんでいた作品が途絶えた。続刊が出ないと手放したシリーズが、手放した途端刊行された。最近の例で言うと『十二国記』や『守り人』である。好きだった作品がなんか知らんが突…

ロード・エルメロイII世の事件簿 1「case.剥離城アドラ」

ロード・エルメロイII世というキャラクターを知ったのはFGOで、当時バスター至上主義者だったnoobは、フレンドサポートに並んでいてくれることの稀有な価値も知らずにいた。試しに使って、攻撃宝具でないことにがっかりもした。FGOのギミックが加速度的に課…

薬屋のひとりごと

少女漫画をそうと意識して自発的に読んだのは小学生、たぶん高学年だったと思う。コロコロコミックの購読をやめ、コミックボンボンの購読をやめ、ジャンプを読み始めた頃、なけなしのお年玉で『ブラック・ジャック』全巻(当時全21巻だったと思う)を古本で…

アインシュタインの旅行日記―日本・パレスチナ・スペイン

「幻想の世界のなかで理想主義者でいることは容易だが、[ラーテナウは]地球上で生きていて、他の人とは比べものにならないほど悪臭を嗅ぎつけていたが、それでも理想主義者だった」 P.46 三一日。昨日は天皇誕生日。上甲板で正午前に祝典。万歳と国歌斉唱…

数学ガール

数学と化学にコンプレックスがあり、忌避する傾向にあるが、せめてタイトルに惹かれたのなら読むように努めている。とはいえ、やはり数学的、化学的な素養な要素には屈服し続け、コンプレックスは克服されていない。 サイモン・シンの『フェルマーの最終定理…

中世奇人列伝

日本の中世、応仁の乱あたりの著名でない人物ら――法印尊長、京極為兼、雪村友梅、広義門院、願阿弥、足利義稙――を著わした書。応仁の乱については過日『応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱』を一読して概要は把握しているが、なじみのない人名、事物に未だ慣れ…

Pythonによる制御工学入門

「Pythonによる制御工学」入門であって、「制御工学」入門ではない。理系で高校を卒業し、大学で制御工学を選択している学生を想定している。ないしは、本書で言及しているところの「制御屋さん」にPythonを啓蒙する目的で書かれた書と見受けられる。30年く…

スパイスの人類史

コスマスやビャクダンを「ツァンダナ」と呼んでいるが、これはサンスクリット語およびパーリ語の「チャンダナ」をギリシャ文字で正確に写したものである。ローマ帝国衰亡以前の西洋ではまったく知られていなかったビャクダンも、それから数世紀の間にいくぶ…

元素から見た化学と人類の歴史:周期表の物語

化学がチョー苦手で、なにか親しむすべはないかと模索していた。科学技術史的な読み物はこれまでいくつか手に取ったことがあるが、化学を主題としたものはなかったかもしれないと思い、読んでみることにした。 古代においては地中海文明、ローマ以後は欧米お…

Raspberry Pi で学ぶコンピュータアーキテクチャ

この順を追った一連のステップは、上から下へと一直線に進むことから、現在ではウォーターフォールモデル(waterfall model)と呼ばれている。ウォーターフォールモデルを最も純粋に設計すると、設計書の作成を開始したあとはユーザーの要求を変更できず、コ…

海の地政学

米軍の元海軍提督、NATO軍司令を務めた人物による著書。 『アメリカの鏡・日本』において、以下のような表現がある。 この時期(注:ペリーによる開港)から十九世紀末までの日本はいわば半植民地だった。欧米列強の代表たちは、貿易のすべてを管理し、税率…

トッカイ バブルの怪人を追いつめた男たち

戦後、バブル、いろいろなものが終わったことになって現在がある。はずである。 本書はバブル期に話題になった住専問題のその後、現在まで続いている未解決の問題を取り扱ったものである。バブル期に高校生であった我が身は、当時のことを空気でしか覚えてい…

謎の団十郎

亡父の遺品より。 生前、父は歌舞伎をこよなく愛した。死に装束は助六?の赤フン姿で頼むとよく口にしており、事に際して家族も親戚もそれを想起させられるほどに浸透していたわけだが、故あって叶えることはできなかった。 倅たる我が身はといえば、歌舞伎…

間接護身入門

少林寺拳法をやめたあと、次に何をやろうかを考えていた。いささか慎重に期しすぎ、何年も経過してまだ何も選べていない。学校であれ個人であれ、師を選ぶということは軽率であってはならないと思うようになったからだ。 インターネットで主に情報収集してい…

中世ヨーロッパの城塞

「――町壁はフィリップ3世剛勇王とフィリップ4世美王によって1295年に最終的に竣工し、堀に囲われた総延長約1.7mの長方形平面のアンサントを形成することになった。」(P.223) など、四ケ所程度の誤字脱字図説の抜けを発見したが良書である。うち一か所は原…

サー・ガウェインと緑の騎士:トールキンのアーサー王物語

ALL REVIEWS経由。 トールキンの名で飛びついたのだが、本職の方の著作物だった。 ヨーロッパの昔話は本筋からそれたところで話が展開し、大変な冒険ですね感を出した後、本筋に戻ってめでたしめでたし?な水増し感満載なものばかり巡りあってどうにも好きに…

フィリピンパブ嬢の社会学

ウルトラコモン、属性「タイトル詐欺」・・・とまではいわないが、「社会学」という看板には文句をつけたい。本書を著すまえは文筆と無縁だった著者の縁故から本書執筆の指導的立場に立った元編集デスクという人物の解説によればルポだというが、ないしは私…

メカ・サムライ・エンパイア

前作『USJ』にはどうにもなじめなかった。ゆえに続刊の存在を知っても手を出さずにいたのだが、第三巻が出版されたことを契機に、もう一度賭けをしてみることにした。 なじめないという表現の理由として、本書を読んで気づいたことを列挙する。 人物、都市な…

魔界転生

出会いは千葉真一主演の映画。幼少の頃。炎を背にした柳生十兵衛の黒影と、出来の悪い天草四郎の飛行する生首SFXが印象に強い(本作品があるから『必殺4』が映えるような気もしている)。 次の出会いは石川賢の漫画版。学生の頃か。表紙がギーガー風のやつ…

情報参謀

2009年、与党の座を失った自民党に協力した人物の著書。タイトルが示すように、ネットを含むメディアから情報を収集し、提供していた。本書に記されている最も印象に深い情報収集の具体的手法はテレビからのそれで、人海とまではいかないが、力技でやりとげ…

プログラミングの心理学

最後に、これらすべての内容を一通り消化したときには、いくつかのプログラミングに関する神話、すなわちプログラミングに関する信仰を検証できるぐらい客観的な考え方が身についているかもしれない。バートランド・ラッセルが言ったように、信仰とは根拠の…

人はどのように鉄を作ってきたか

・・・当時、アナトリア地方にはプロト・ヒッタイトと呼ばれる人々が住んでおり、高度な鋼の加工技術を持っていたことが分かる。そして、彼らが製鉄法を発見したと言われている。 当時、この地方は青銅器文明の時代で、銅製錬が行われていた。酸化銅の鉱石は…

三体

あとがきによれば、中国で最初に出版された版では、章構成が異なっていたらしい。当時の中国国内の事情に配慮して書籍化にあたって変更したもので、英語版は著者の意思に従って元の構成に戻したしたという。日本語版の構成は英語版に準拠している。もし、中…

世界を変えた火薬の歴史

(「カルヴァリン砲」について)・・・この型の砲の大きな利点は従来の巨大攻城兵器よりずっと速く冷えることで、その結果、発射速度が大幅に向上した。一四三七年のメス包囲戦では、ある砲手が一日三度、大砲を発射することができた。これはふつうではあり…

コロンブスの不平等交換

『ジャガイモのきた道』と同じ著者の書。体感的に三割くらい同書と内容がかぶる印象。白禍という言葉があるが、まさにこれ。 近頃、中国さんがイきってるが、やられてきたことをやり返そうと試みてる風もあり、隣国の国民として不安は募るが、彼らの心情はわ…

CODE COMPLETE

動機 ここ数年、Python、Kotlin、node.js、Flutter、GOなど、仕事では使ったことのないプログラム言語に意図して接してきた。 そのせいか、自身のコーディングがどの程度スタンダードから乖離しているのか気になってきた。それぞれ独特の作法があり、似て異…

遊牧民から見た世界史

宋代中国が、馬の購入に必死にならざるをえなかったことをメインテーマに、それがあたえる財政・経済上の大きな負担を、根本史料から分析・総合した畏友の米国人東洋史家ポール・スミスは、その大著『天府に課税して』(ハーヴァード大学出版局、一九九二年…