でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

カリスタの石

ダンブルドアはゲイ」という著者自身によるカミングアウトを必要としたのは、『ハリー・ポッター』シリーズ読者層のどの辺だったのだろうか。
個人的には不要な情報だった。もともと一巻の終わり方で当方むけではないと感じていたし、それでもシリーズ完結までフォローしようと思えるほどには興味を覚えていたが、シリーズ完結後も著作を継続して読もうとは思っていなかったのでどうでもいいといえばいいのだが、不要と感じた。

ブラッドリーは我が青春期に影響を与えた作家である。同時期耽溺していたTRPGへの影響としては、赤毛、スターストーンのようなガジェット、『ムレムの書』に登場する評議会のようなコミュニティを嗜好する傾向、などがある。
高校生時代に本シリーズを読み始めたときには、財力の欠如から図書館を頼った。再読を欲したときには絶版であり、古本屋を巡り、後にはオンライン古書店に頼るようになった。なかなか思うように果たせず、『ストームクイーン(上)』『ストームクイーン(下)』『炎の神シャーラ』『ハスターの後継者(上)』『オルドーンの剣』と収集し、止めた。

止めた理由は『オルドーンの剣』を再読したことにある。
前述のゲイ云々のように著者自身が告白したわけではないが、文章からにじみ出てくるアレが、著者がナニであることを教えてくれたためである。初読のときこれをスルーしていたのは未熟であったからだろう。それがどうにも受け入れがたかった。

それから何年経っただろうか。
かつてオンライン古書店に登録し放置していた『カリスタの石』が入荷したとの知らせが先ごろ届いた。ちょっと迷ったが、先日『アヴァロンの霧』シリーズも大過なく再読完了することができたし、アレがナニであったという嫌気は薄れたと、喪は明けたと判断した。
『カリスタの石』に特別な思い入れがあると勘違いしていたこともある。

再読してよかったというのが素直な感想。かつて好きだった作品も、近頃は読むのが辛いことがある。そんな昨今、珍しく一息に読み終えられる内容であり続けてくれたことがうれしい。

面白く読めたのだけれど、原題『THE SPELL SWORD』に対して邦題『カリスタの石』はどうなのさという新たなアレが生まれたことは余談である。タイトルから想起される主人公やテーマが内容と異なるじゃん? 違和感が作品への印象を変えるじゃん?

思い入れのあるのはどうやら『ホークミストレス』らしいという誤解も分かったこともまた余談である。