読物 『妖祭物語』
かつてはDや十六夜京也、秋せつらを愛したものだった。
だが、今となっては再読したいと思えるのは『妖神グルメ』や本作品なのである。
数年前にトレジャーハンターシリーズを再読した。伝説となった上中下完結編123で切ったシリーズだが、『怪猫伝』『魔界航路』『妖山記』なんかは今でも愛してやまない。再読を機に、伝説後の作品を読んみたが、もうダメだった。主人公が無双すぎるのでハンデを背負わせてみたけれど、三重苦なのにそれがハンデになってない某作品のごとく、虚飾にしかなっていない。
昔のならいけるじゃん?と『魔王伝』を読みなおしてみたが、これはダメだった。かつてはあれほど愛したというのに。
もう、物語のなげっぷりが容赦なく、当時これを許容できたことは幸せだったのだと思う。
ゆえに、ぽこち君と内原富手夫なのである。
なにも考えずに気楽に読めて、菊地節を堪能できる。氏の作品で、こういうの、他にあったかな。