でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて

『夜の言葉』は拝読させていただいた。まだ『帰還』が発表される前のこと、アースシーの世界をこよなく愛していた頃のことだ。

『帰還』は正直、ものすごくがっかりした。作者自身が構築した世界を自ら否定しているような気にさせられたからだ。

以後、ル・グィンの作品からは距離を置いてきた。
逝去されたことを聞いて残念に思いはしたものの、著作を読むなど追悼の儀はとりたてて思うことはなかった。

本作品はエッセイである。だからこそ、『夜の言葉』の良い読後感を思い出したからこそ、読んでみる気になったのかもしれない。

氏に対する「フェミニズムの旗手」という評価がピンとくるほど氏について詳しくないのだが、『帰還』を読んだ時にそういうことなのかと疑い、また自認する風合いが本書から読み取れ、ああ、そうだったんだなと初めて思った。

現在のフェミニズムの風潮は他者を攻撃しすぎる嫌いがある。それが良い時代もあったが、いつまでもそれではいけない。そう本書で氏は述べている。『帰還』はかなり攻撃的だった。

カメロンxイシュトヴァーン本になってしまった未完の某大河小説も攻撃的だった。それまでの読者を、少なくとも一読者を裏切るような作品に変化させたという意味において。

なかなか供養できない思いが残るが、未読の著作に触れて、成仏させられるかどうか試してみよう。