でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

ふたつのSDK

現在の職場には、エースがいる。ごく小さなソフトハウスに見受けられる、守護神タイプの技術者である。
我が身が身を寄せる以前から在籍している方で、とはいえ勤務地が異なり、電話の取次やメールでのやりとりはあったものの、一度も顔を合わせたことがなかった。

やらざるを得ない仕事に仕様書の類が存在しないことはこの業種では稀なことではなく、該当機能の動作を再現できる環境がない場合、プログラムソースファイルを見ることなしにはひどく手間のかかる作業が発生することになる。
かような理由で、該当機能を作成したエースにプログラムソースの提供を依頼したところ、なんのかんのと理由をつけられて、入手に至るまでにけっこうな日数と強い要請を重ねた。
そのような経緯から、「エース」は典型的な技術者であろうという印象を強めていたわけだが、それはさておき。

先週、エースを含め、その時点で係累のある人物すべてにようやく面通しを図ることができた。一面識ではさして対面前の印象は改まらず、次の機会となった先日のプチ懇親会を迎えた。

きっかけは、なんとなくだが察するところではある。

「私も、ゲームやるんですよ」

唐突に、エースはそう、我が身に語りかけてきた。
察するところではあったから、まあ、乗れないわけではない。
ゲームの話から、昔のパソコンの話、開発技術の今について、話題は尽きない。
いずれもかなり押され気味で、我が身の浅薄さが歯痒いところである。このエースは、ソッチ方面でもエースだった。

数週間前からKindleユーザでもある彼は、電子ペーパーがかなり良いということ、日本語を表示するすべがあることなど、その利点を多く語ってくれた。新品で購入した書籍をバラして電子化し、Kindleで参照するという。液検索できるなどの利点、また液晶ディスプレイは目に優しくないという理由から、そうしているのだという。
話題は転じて、PSP版『THEXDER』。エースは良い印象を持っていることを明らかにしたが、つい先頃、PS3版もリリースされ、実はひそかに体験版を遊んでおり「テンキーで遊ばせろ」というか、そのようなリメイクをしかできなかった『THEXDER NEO』に悪い印象をしかもちえなかった我が身とは裏腹である。あるいは、PSPの画面サイズなら遊ぶに足る、ということなのかもしれない。昔ながらのあの画面構成は、大画面で遊ぶことを全く考えていないとも思えるからである。意見は対立したが、「どうせなら『FIRE HAWK』だせよな」という見解は一致した。

そんな話題の中で、興味深いトピックが二つ。

ひとつは、「Sytem4SDK」というもの。もうひとつは、「Visual Studio 2010」のこと。

「Sytem4SDK」とは、日本のエロゲメーカー、アリスソフトが自社開発した統合開発環境である。教えてもらうまでその存在は知らなかったし、アリスソフトがそういうことのできる技術力を有していることも知らなかった。
アリスソフトのゲームで覚えているのものは『闘神都市』しかない。『カオス・エンジェルス』の信者である我が身は、『ドラゴンナイト』など、当時世に出たコノ手のRPGはすべからく否定していたが、『闘神都市』はSLGであり、だからそれほどファナティックな反応はせずに済んだのであろう。
思い返してみれば、「エロゲのクセにしっかり作ってあるな」という印象を抱いた覚えもある。当時、漠然とした印象しかなかったそれを言葉にすれば、痒い所に手が届くシステム設計とでもいえばいいのだろうか。どちらかといえば好きでもなく、美麗と感じることもないビジュアルの印象の方が強いにせよ。

Visual Studio 2010」は、Microsoftが提供する統合開発環境である。
VB.NETC#の比較論になり、これまでは考えてみたこともなかったものの、.NETの開発環境上ではどちらも大差ないと思える旨自論としてまとめるに至った。これまで自論をもつほどには.NET環境に親しんでいなかった我が身ではあるが、論旨の背景として、先日とあるきっかけでdllを作成することになったとき、もちあわせた知識でさっくり作れてしまったという経験を踏まえている。
エースの意見ではC#であり、初心者もC#で入門すべきだろうというのだが、Cの開発経験にあまり良い思い出のない我が身としては、現状云々はさておき同意しかねるという次第であり、VBの経験があるならVB.NETで、Cの経験があるか、全く経験がないならC#でよかろうなのではないかということを落としどころとした。
この手の話題は、長引かせてよいことはないのである。

これに付随する話として、オブジェクト指向の話題が出た。
なんでも昨今はオブジェクト指向というものの考え方は古いらしいのである。エースの論旨をまとめるとそのような印象を得たのだが、どうも主張がはっきりしない。
関連する話題としては、「MS Accessの存在意義はもはやない」というものもあったが、それはVSの進化がMS AccessおよびVBAの利便性を上回ったからというもので、Accessのフォームに相当するものはVSでカンタンに作れるからというものらしい。SQL Server Express Editionを利用することによって、DBエンジンとしてのMS Accessにも存在意義はないという。

しかしながら、これは技術者の考え方である。
エースの論旨は、対象を企業に限ったものかもしれないが、MS Accessの想定ユーザは個人である。悪名高いマルチユーザ性の悪さがその証拠である。
MS Accessが不要というからには、VS+SQL-Serverの組み合わせが、エースが想定するような初心者ないし素人が取り組めるものでなくてはならない。しかしながら、想定する対象者はまず、後者の組み合わせを見つけ出すことが至極困難であろう。

X箱を買おうとしてXNAをインストールし、一念発起したものの、X箱の故障率の高さに購入を断念して、XNAの習得も連動して停止してからおよそ二年。XNAとX箱をセットに考えていたことはすっかり忘れ、うっかりPS3を買ってしまったことはさておき。
新技術の勉強を怠っていたことを痛感させられたという意味でも、収穫のあった懇親会だった。

PS.
およそ10年ぶりにC言語を書いた。
久しぶりとなると、だいたい忘れるのが宣言とif構文などのネストの作法、行末のセミコロンなのだが、予想にたがわず忘れ。
VB.NETで書いたドライバからVB.NETで書いたdllをコールするときと、VB.NETで書いたドライバからC#で書いたdllをコールするときのIDEの挙動が異なり、根拠はないが、C由来のナニを思わせる。
今回Visual Studio2003を用いたのだが、昨今のバージョンではこの辺改善されているのだろうか。