でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

トッカイ バブルの怪人を追いつめた男たち

戦後、バブル、いろいろなものが終わったことになって現在がある。はずである。

本書はバブル期に話題になった住専問題のその後、現在まで続いている未解決の問題を取り扱ったものである。バブル期に高校生であった我が身は、当時のことを空気でしか覚えていない。実感を探るためには、本書のような文献を当たり、当時の記憶を掘り起こしてそうだったかもしれないと思うしかない。

無責任、という言葉がある。
世代に割り当てられることもあり、世間的には主に若者に使用されることが多い印象だが、本書では銀行のトップや大蔵省(当時)にそれが当てはまるという印象がある。
トッカイとは特別回収部の略称であり、倒産した住専の元社員や銀行からの出向者、近頃では天下りによって構成されているという。バブル敗戦処理の忌まわしき組織として創設されたものも、20年もたつと利権の温床となったということか。

終わっていないことを終わったとするのは、数字を捻じ曲げて不備はないと主張する国家官僚の処世と似て、減点主義をやるしかないすなわち人を評価する能力のない社会の病根であろう。