でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

古代日中関係史

魏志倭人伝卑弥呼の名が現れるとか、厩戸皇子が「日出処の~」と書いた書を送ったとか、そういうキーワードだけしか知らない者ではあるが、中国の歴史と日本の歴史を対照するとどうにも腑に落ちないというか、違和感、ギャップのようなものを感じていた。

歴史は視点や立場を有するものという認識を得てからは、まあ、そういうものだろうと考え、深く追求してこなかった。しかし、本書のタイトルを見て読んでやろうという気になるくらいには、疑問に思っていたようである。

中国は王朝がころころ変わっている。その継承は禅譲だったり武力平定だったり様々だが、日本が使者を派遣するにあたり、そのあたりの事情をどう受けとめていたのか、遣隋使、遣唐使という名のつけられた使者は狙って派遣したものか、場当たり的なものだったのか。
当時は意志のやり取りが現代よりもはるかに時間を要するものであったと思えるのに、使者派遣の判断材料がいずこにあったのか、見いだせなかったからかもしれない。

本書は隋や唐が東アジア文化圏でどのような立場を取ろうとしていたのか記しながら、同王朝に使者を派遣した国々の事情を語っている。日本については特に日本側の政変を含めて語られており、古代日本史において個人的に腑に落ちないと感じていた処々についてとりあえずの落ち着きどころを見いだせた観もある。

なんとなく中国や日本の古代史に興味がある勢には、楽しんで読める本ではないかと思う。