夜の大海の中で
『BLAME!』の元ネタみたいなツイートが流れてきたので興味を惹かれて読んだのだが、そもそも『BLAME!』はナナメ読みで終始わけわかんねーと思いながら読んだので、まったくピンとこなかった。
発刊年ではなく、個人的読書履歴の順で印象の重複とかオマージュを感じる作品をあげると『強殖装甲ガイバー』『ストーカー』『ニューロマンサー』『2010年宇宙の旅』『エンディミオンの覚醒』あたりが思いつく。挙げても詮無いことだが。
妙に文学めいていたり、当時のというか、著者が若いころに印象を受けたのであろうヒッピー文化を肯定的に描いていたり、そういうところがSFというレーベルに属する作品として純粋に楽しみにくい。
あとがきによれば短編を再構成した作品ということだが、物語はこの巻で完結らしきエピソードもなく、なにかを予感させる引きで締めくくられている。
ファーストコンタクトものだが、目新しさは感じられない。これは作品が悪いのではなく、読んだ時期が悪いとしか言いようがない。
技術的な未来予測は本作品では重要ではないようで、情報技術はソフトウェアやデータよりではなく、ハードウェアよりである。上梓が1977年だからまあ仕方ない。
閉所の恐怖感だけは良く描写されていたと思う。閉所恐怖症を自覚したことはないのだが、読んでいてその部分に怖気をふるってしまった。