でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

Oblivion of first その6

プレイヤーに、自分のキャラクターの強さを実感してもらおう。
かつてTRPGをやっていた頃、そんな風に思ったことがある。

プレイヤーのグループは、平均7レベル、ファイターx2、マジックユーザーx1、クレリックx1(半病人)に、NPCである、人間サイズに縮小されたストームジャイアントの娘x1という構成だった。
娘は娘であるから、HPはともかく、火力として戦闘に貢献することはないであろうことはマスターとして事前の決定事項にしていた。あるプレイヤーに対して、この娘を守り切れるか、という命題をひそかに与えたことはさておき。
半病人が半病人であることを重く受け止め、行動の制限をマスターの鉄鎚と感じたらしいことが想定外であったといえる。

対するは、ゴブリンの一部族。
5HDくらいの族長x1、同じくらいのシャーマンx1、部族の食客たるオーガx1に、20体くらいの1HDゴブリンという構成。
きっかけは、既知の文化圏から遠く離れたウィルダネス、そこにテリトリーを築いていたゴブリンの狩猟隊若干名を、有無をいわさずプレイヤーがイわしたことにある。完全な奇襲で、逃げるものもしとめた、虐殺行為であった。

当初は、彼らと知的交渉をも想定していたのだが、それはなくなった。
日光を嫌う性質をもつゴブリンは、当然の如く、夜間の捜索を行う。襲撃もしかりである。
日光を嫌うが暗視能力をもたないゴブリンには、演出的効果も含めて松明を持たせた。

深い森の中、次第に追い詰められていくプレイヤーたち。松明の数から推定した敵対勢力の規模は、自勢力の5倍程度。雑魚といえど、数は暴力である。プレイヤーたちから積極的な行動を奪うに足る脅威を演出することができたようだ。

ふたを開けてみれば互角やや分が悪い勝負となった。
プレイヤーのファイター一名はオーガとタイマンしていい結果を出したが、もう一名はゴブリンシャーマンに金縛りにされて身動きを封じられた挙句、ゴブリンにタコにされ、それをストームジャイアントの娘にかばってもらうなど面目を逸したことはさておき。
そもそもの目的たる「強さを実感してもらう」どころではなくなってしまったが、なかなか面白い経験をさせてもらった。

 

我がfirstは、レベル31になった。
スキルも装備も向上し、地形などにハマってロードしなおすことはあっても、死ぬようなことはない。この楽さ加減は、ネットの評によれば「ゲームバランスを崩しかねない」アイテムを獲得したことが、おそらくは大きい。とにかく、できることの幅が広がった。
Impを、スニークから射撃で即死させたり。一つのダンジョンを、ただそれのみで制圧したり。
水上を歩くことによって、そうできないときとは異なる攻略をしてみたり。
Silence毒で敵性魔術師を狙撃し、即死ないしは攻撃力を奪って奇襲したり。

 

自分色で他者のマスタリングを染めるなどおこがましく、自身がプレイヤーでやってみたかったことを、かつては自ら演出することでしか無聊を得られなかった。
戦士をかばい自ら傷つきながらも「ダイジョウブ、シャチョサン?」とその戦士を気遣うジャイアントの娘が演出されることはないにせよ、かつて望外のこととしていたものが手軽に入手できる幸運を味わいつつ。
レベルを超越してゴブリンは強敵なんだなあと、やたらと硬いGoblin Warlordに因果を極められた観のある昨今である。