読物 『黒い手帖』
なにやら「海外ゲーマーが指摘するありがちストーリー」的なものをあちこちで見かける昨今だが、個人的には20年ほど昔に同様のことを思い、CRPGに対し一線を引くようになっている。
「コンピューターゲームだからそういうものしか作れないのだろう」
そんな思いもあったのだろうが、それだけは『カオスエンジェルス』によって打破された。エロゲながらエピックファンタジーの雰囲気もあり、早川翻訳レーベルに並んでも遜色ない物語をもっていた同作品は、今なお俺史上最高のゲームといって過言ではない。
プレイアビリティも著しく高く、マジな部分をお茶目に濁していたにもかかわらず、表現するものすべてがゲーム世界を語っているという傑作であった。
それ以後同じ琴線を刺激する作品に経巡りあっていないという一事から、一線に対する態度は改まっていない。そうであるからには最早CRPGになにかを求めたりはしない。
求めずとも『EverQuest』や『オブリビオン』のようにハマれるゲームに巡りあえたりもするし、『EverQuest』を経験してからは一線を超えそうなゲームを忌避するということを覚えたりもしたが、つかまされて怒り狂うことはあっても、巡りあえないことを嘆くようなことはない。
だから「もし、ゲーム的英雄が現世に出現したら、世界を救えるかなあ」などと思ってしまったのは、我が身にまだ残る厨二病的感性の発露というばかりではなく、読了したばかりの本書に刺激を受けたからかもしれない。
フランク=ハーバートによる厨二的見解は「レトの平和」であり、SF的に長寿を得た神皇帝による独裁統治は3000年続き、打倒された。
ダン=シモンズによるそれは、自然発生的に?知能を持つにいたった無機物知性体が、文字通りシステムに取り込んだうえで、そうと悟らせずに有機的生命体を支配するというもので、組織やシステムがもつ生存本能は、そこに所属するもののそれとは一致しないことを暗喩しているが、それはさておき。
副題『創価学会「日本占領計画」の全記録』。
昨年着手したものから、本書と関連すると思われるものを並べてみた。並び順で読んでいる。
『われ万死に値す』
『二人の首領』
『実録 少林寺修行記』
『破天荒人間笹川良一』
『阿片王 満州の夜と霧』
『昭和激流 四元義隆の生涯』
『梶原一騎伝 夕やけを見ていた男』
『大山倍達正伝』
なんというか、よくもまあ、いい加減に回してこれたものである。
昭和のお父さん、お母さんは、きっとよく働いたのだろうなあ。