読物 『出撃! 魔女飛行隊』
「私は敵機を見上げました。私の機銃に弾倉を装填する時間はありませんでした。敵機は正面から攻撃をかけて来たので、通信士の銃座からは全く射撃できません。私はとっさの思いつきで頭の上の風防を開き、信号弾発射ピストルを握りしめたのです」
ドイツの戦闘機は、二機がほぼ縦一列に並び、至近距離からの一撃でこの無力に近い獲物を屠ろうと、撃ち始めずに迫って来た。ガリナが半身を乗り出してピストルの引き金を引くと、信号弾ロケットは薄い尾を曳いて飛び、敵の二機の間で炸裂した。ガリナは薬莢を抜き出し、二発目の信号弾を手探りしたが、その必要はなかった。敵は右と左に急旋回して回避し、そのまま戻って来なかった。絶望的な危機の中でのガリナの機転がうまく当たったのである。P.217「連隊の同僚たちは、こんなに激しさを示したリリーを初めて見たのです。彼女の目は虎のように輝きました。彼女は楽しんでいたのです。彼女の闘志をむき出しにした姿を見て、彼女は危険な女性だ、と同僚たちは感じました。彼女が殺人者としての感覚を地上で現したのは、初めてのことでした。このドイツ人はリリーに軽蔑の気持ちを見せたのが失敗でした。彼女はパイロットとしても激しく怒って、痛烈に相手を叩きのめしたのです。これは彼女の完璧な勝利でした」
P.299
1.1970年代のジュブナイルの表題のようであるが、そうではない
2.ラノベでもない
3.戦記である
4.原題は"Night Witches"
5.訳者は原著を面白いと評した上で、当時のソ連空軍をdisっている
6.瑞っ子の渇きを潤す成分が含まれている
『急降下爆撃』以来、学研M文庫を索敵目標に追加した。現在の目標は『擲弾兵』だが発見に成功していない。Amazonでは絶版となっているため、主に古本屋での活動となっている。普通に書店に並んでいるかもしれないが、書店の性能低下あるいは我が身の図書館スキル低下を痛感する昨今、探す気にもなれない。
時折古本屋を巡回して幸運を期待するわけだが、期せずして、このような巡り合わせに出会うこともある。
瑞っ子といえば、こんなものが刊行されるようだが、掲載されるのはミサイルだろうか。