でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

読物 『ドラゴンランス戦記』

復習と予習のために。
うまくいかないことから『AC4A』への関心が急速に薄れる中、11/1と予測した尻姉(もはやナニソレ)の到着までの無聊をなぐさめるために。

読んだら、仕舞いまで読まずにはいられないだろうとわかっていた。学生時代に数度通して読み、それからもさらに数度読み返していたが、ここ久しく読んでいなかったから、きっと読み通さずにはいられないだろうと。

再読の一つの楽しみは、読み手たる我が身の感性の変化を知ることにある。
今回の再読は、その楽しみを満喫した。きっと『夏の炎の竜』や『魂の戦争』でさんざん打ちのめされたことと無縁でもなかろうが、これまでになかった感慨を抱かされたからだ。
それは、かつてそうとは思わなかったよりもラノベであり、かつてそうとは感じなかったよりはエピックであったということである。
そして、間違いなく著者らがルーニーであろうということである。

物語が当初の予定通りに進行されなかったことは、経験の浅い読み手――当時高校生だった――にも十分に読み取れた。
それを棚にあげさせたのはおそらくキャラクターの魅力であり、世界の魅力――世界観というコトバは、1987年あたりから割と日常的に使用していた覚えがある――であり、TRPGプレイヤーであったからかもしれない。
世間的に「情けないヤツ」という評価が多数を占めるリーダー・タニスにまず非常な親近感――けっして、好意ではなかったように思う――を抱いたのは、でしゃばりの性ゆえにセッションではリーダー役となることが多かったことからだろう。同じ方向を向いて遊ばざるを得ない――たとえ違う方向に進んでも、協力して物語を作るという大目的は違えてはならない――ゲームでも、人をまとめるのはたやすいことではなく、当時その方面で感じるところがあったためであろうか。彼の心労を理解することができたような気がしたものだ。
ともあれ、当初の予定通りに描かれなかったキャラクターの筆頭はキティアラであろう。ローラナを立てすぎて並び立つ巨悪が必要になったということか、『~伝説』への布石か、理由は推測するしかない。

我が原点の一つ――我が嗜好の指向性を決定的にさだめた、あるいはそれを気づかせてくれた作品は、今なお読むに耐える作品であった。


2008年12月に刊行された『ドラゴンランス秘史 ドワーフ地底王国の竜』は、富士見版2巻と3巻の狭間に位置し、語られなかったエピソードをつづるものである。漠然とは覚えていたものの、忘れてしまったことの多さに愕然としたことが『戦記』再読の一つのきっかけではある。
同作品においては、シリーズも一通り完結の様相を見せた今だからこそキャラクター描写に不安定なところはなく、タニスはタニスらしく、スタームは当時のスタームらしく振舞っているが、その一方で、再評価されたと思われるキャラクターもいる。リヴァーウィンドがそれである。

『~戦記』の中ではかなり影が薄く、好きなキャラクターでもなかった。
『~伝説』より後の物語でその後に触れられても、特に感慨がわかなかったものだが、『~秘史』ではそれを改める描写がある。著者自身も自覚してのことか否か、思えば竜槍戦争における善神側の準備は、レイストリンが剣として見いだされるよりも前に始まっており、それはリヴァーウィンドの家系が古の神々への信仰を持ち続けていたことに由来するわけだが、彼が神々が実在した証を見つけ出したことである。
著者らはリヴァーウィンドら蛮人に対して親愛なる感情を抱いているようだが、それは読者には十分伝わっていなかったという反省が読み取れるようにも思う。
かつて抱くことのなかった感慨を抱き得た我が感性の変化。一言でいうならそれはトシであろうか。今では十歳も年下になってしまった彼に、好意を感じたのである。

『~秘史』によってインスピレーションを得、タイトルに関してテツガクしてしまったことが、今回の再読に至った直接の動機である。
手元にある富士見書房版文庫本の邦題は『ドラゴンランス戦記』。原題は"DragonLance Chronicles".
同邦巻1巻『廃都の黒竜』 2巻『城砦の赤竜』、は原題"Dragons of Autumn Twilight".
同邦巻3巻『氷壁の白竜』 4巻『尖塔の青竜』、は原題"Dragons of Winter Night".
同邦巻5巻『聖域の銀竜』 6巻『天空の金竜』、は原題"Dragons of Spring Dawning".
当時TRPGブームの先駆け的に邦訳された功績は大きいが、この邦題のセンスには同意しかねる。(『~伝説』のそれは特に最悪である)
本タイトルがDragonという象徴に込めたものは、絶望と希望であり、力への渇望と愛の葛藤であり、光と闇というシンプルなもののみならぬあらゆるアンビバレンツだと読み取れるからである。

ともあれ、『~戦記』中のキティアラの行動をすべて思い出して、『ドラゴンランス秘史 青きドラゴン女卿の竜』への準備は整った。
市立図書館へ購入依頼も提出したので、あとは待つだけ(絶筆)