読物 『左巻キ式ラストリゾート』
ナンデスカコリハ。
本作品の、余韻というよりは当惑というべきものに浸っている時、ふと思いついたことがある。
エロゲの主人公は、言い訳ばっかしてるってことに。
考えたことはなかったが、PC98を所有していた頃はたまに遊んでいたエロゲの頃から、ひょっとするとそうだったのかもしれない。その展開のつじつまが純愛の果てであるかのようにふるまわせるのは、シナリオやキャラづくりの弱さを補完するためではなかったかと。けっしてイキオイではないと言い訳したいからなのではないかと。
ASCIIから発売されたその筋の嚆矢ともいえる作品では、思えば主人公は言い訳をしなかった。作品そのものが言い訳をしていなかった。
今でもとても愛しているその作品の二番煎じがあわなくて、名作というとノベルゲーしか見当たらなくなってしまった昨今はほとんど遊んでいないが、幾つか遊んだそれらのすべてを愛せない理由は、物語そのものではなく、そんなところに理由があったのかもしれない。
そう思えてしまったら、世の中の悪役がなぜ人気を博すかに妄想がぶっ飛んでしまい、やつらが言い訳しないことがその理由ではないかという着想を得た。言い訳はカッコ悪い。
ついでに、『カエルの死』をイマドキの技術でDTPしたら、どんなふうになるんだろうかと思ったり思わなかったり。