読物 『ロシアは今日も荒れ模様』
「この世に醜女はいない。ウォトカが足りないだけだ」
「人生の半分は肝臓を苦しめ、人生の半分は肝臓に苦しめられる」
――ロシアの諺
ペレストロイカだとか、ソ連崩壊とか、当時は全く興味のなかった事柄である。
本書は主にその頃の出来事について記されたものだ。著者は通訳であり、関係各位に近しく接してさまざまなことを目の当たりにしたようであり、それらを痛快に、とても読みやすいエッセイに仕立てあげている。
ロシア人というとなんとなく強面という印象しかなかった我が身に、異なる視点を与えてくれた。
『反省 私たちはなぜ失敗したのか?』あたりからの流れで読むに至る。
かなり大雑把に近代を俯瞰してみるとロシア、ソ連は何故にあんなにもタフであるのかという疑問がわくことを禁じ得ない。酒本位制のせいなのかもしれない。