読物 『戦後日本の闇を動かした「在日人脈」』
日本の明治期から現代への足跡をなんとなく追う流れと。
日本の著名な格闘家に対する評論を拾い読みする流れと。
一見して無縁と見える二つの興味が、ふと交錯することがある。
知りたいことだけを知るというのは、どうやら難しいようだ。
募金ビジネス、貧困ビジネスという言葉を知ったのは数年前のことであるが、本書からは賠償ビジネスという言葉を知った。
本書のようなタイトルの書には、政治家とヤクザが避け得ず登場するものらしいが、ある局面において両者は同じものに相対しているはずなのに、政治家への論評は厳しく、ヤクザに対しては憧憬を含んだ優しさを感じるを禁じ得ない。
歴史に学ぶというが、歴史というものが簡単に学べるものではないことは分かってきた。