読物 『獣の奏者 外伝 刹那』
『獣の奏者』シリーズは、『守り人』シリーズと比して好みではない。
しかし、短編の出来は『流れ行く者』より良い。
あとがきに、物語に対する著者の態度が記されている。
そのひとつに非常に共感を覚えることがあった。それは「かつて物語が終わってから外伝として記されてきたスタイル」あるいは「あくまでも余禄であり、本編とは独立した外伝というスタイル」が、いつしか「本編に余計な過去花などのエピソードとして挿入されるスタイル」にとってかわってしまったことに対する、個人的な思いと一致する。