美術館 『学芸員を展示する』
通勤路で見かけたポスターが気になり、足を運んでみることにした。
学芸員の仕事についてはすでになにかで見知っている。映像によるドキュメンタリーだったか、活字によるものだったか、漫画であったかは覚えていない。
ゆえに、特に新たになにかを知りたいという動機ではなく、ポスターの意匠に触発されたということになろう。
学芸員のというよりは、美術館長の功績展示という印象が強めだったが、よい刺激を受けることができた。アンディ・ゴールズワージーという人の作品は、TRPGを現役で遊んでいたらきっとネタにしたであろう。
もっとも面白かったものは『美術館すごろく ―展覧会ができるまで ―』(画像は同企画の『鑑賞ガイド』より)という展示と、美術館内の売店で販売されていた美術館の政治学とかなんとかいう書籍である。
道場の子たちと話をすると、たまに将来に就きたい職業の話題になることがある。そんなとき、無邪気に「介護師」と聞かされると、ピアニッシモにネガティブな意見を発するものだが、これからは「学芸員」と聞かされたときにもそれなりに厳しそうな力学が働く職業であるようだと発することになるだろう。
余談だが、同売店には江口寿を特集したムック本と浦沢直樹のムック本が売られていた。
以前ならば飛びついていたであろう本をチラ見して立ち去ってしまうほどに漫画的なものから興味が失われているのだなと追認した。