読物 『ロケットガール 3・4』
「茜はなぜ優しい気持ちになる?」
在学中、学年ナンバーワンだった秀才は、少し考えて言った。
「ポテンシャル、かな?」
わずが三十七キロの体重だが、いま茜が持っている運動エネルギーは対戦車砲弾をやすやすと押し戻せる。優しさのよりどころは強さだ。全世界で四位以内に入る高いポテンシャルがその優しさをもたらしたのだ・・・・・・ということらしい。
三巻 P.203「嘘ついてどうすんの。だけどこのままトイレにこもってたらエマージェンシー扱いで大騒ぎになるよ。調査委員会が招集されてなにからなにまで調べ上げて電話帳みたいな報告書が公文書館に永久保存されて誰にでも閲覧できちゃうけど、それでもいいの?」
四巻 P.17「ISSはアメリカのシンボル。アメリカは僕の国からすべてを奪った。サゴヤスタンの資源を目当てにして、反政府組織を支援して政権を倒したら手に負えなくなってロシアが出てきて泥沼になって空爆して地雷まいた。いまでも毎日地雷で大勢脚をなくしたり死んだりしてる。アメリカ、なんでも持っているのになぜ僕の国、食い物にしますか? アメリカ許せない。絶対許せない」
四巻 P.120
読んでいないと思っていた三巻、なんか内容知ってるなー、どっかであらすじ読んだかなーとか、終盤にさしかかるまで思ってたら、再読だった。
初見の四巻は、イトカワのエピソードをモチーフにした話を含む短編四編が掲載されている。相変わらず、地味で派手な物語だ。そんなSFといえば『BRAIDEN』が思い出される。
続けて読むと食傷するが、たまに読むと絶妙でとても良い。