でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

読物 『華より花』

 ――天職は一生の伴侶だもの。

P.213より

 姐さんは最近、若い女性から「どうしたらキレイに着物を着られるのでしょうか?」と、聞かれるそうです。で、「なんて答えるのですか?」と聞くと、
「たいていね。”衣紋に気をつけなさい”っていうのよ。衣紋をしっかりしておかないとね。此処さえちゃんとしておけば、なんとかなるものなのよ」

あとがきより

最後の吉原芸者、そして現役の芸者、みな子姐さんの人生と、吉原というものが語られている。
興味の第一は、戦争を体験している人物の見てきたものを知りたいというもので、第二に、芸者というものがどのような存在であったのか知りたいというものだった。

花魁と芸者は同じものの別の呼称であると思っていた。そんな無知の思い込みとは真逆に、芸者は色事禁止だったらしい。
芸者といえば吉原芸者をさし、その他の芸者は町芸者というらしい。

戦争が起こって、引き手茶屋は暇になったが、貸座敷は繁盛していたらしいこと。
芸者も動員され、檜をかんなで削って緑に塗ったものを作らされたという。国会議事堂の屋根にしきつめ、森に偽装するためだという。「芸者に守ってもらうようじゃ、日本も負ける」とは姐さんの言だ。

「吉原の張りと意気地」という言葉に感応する素養をもたない我が身だが、みな子姐さんの小気味のいい粋な語り口調には、そんなことを強く感じさせるものがあった。