Entertaimental Apathy
5/1は単発の仕事を受け、大汗をかきつつ三時間過ごし、夕刻より大学時代の後輩と酒席をともにする。わりといきなり決まったことだが、暇人はばっちこい。
地元の特殊産業集積ビル、巷で話題の黒歴史関連を視察しつつ時間をつぶすも、さしたるものがあるわけではなく。17:00前には飲み始め。
食い物にも無欲な昨今だが、飲むとなったらなんとなく鰻が食べたくなった。同意を得られたので、創業は明治からという老舗に赴く。
鰻をつまみにビールと冷酒をやり、20:00頃まで過ごす。
鰻屋を出ると、酒席の話題にでた漫画を是非読めすぐ読めということで、書店に連行された。
俺様ちゃんが今いかにエンターテイメントに無気力かつネガティブであるかを諭して固持するも、一歩も引かず。いざ書店に赴いてみれば目的の漫画はなく、代用であることを堅く念押しされた上で、同じ作家の別の漫画をプレゼントされた。この男にはかつて怒髪天なブツをプレゼントされたことがあるので、このプレゼントに対して Apprehensibly なことは余談である。
この漫画、なんでも、幼なじみの彼女に振られた男がいて、その彼女が男の実兄と結婚し、同じ屋根の下でギシアンするのを見せつけられるとかなんとか。とにかく、虐げられた者がこれでもかと描かれている作品だそうで、「そういうのはお好きでしょう」というわけなのである。
特段、そのような作品を嗜好としているつもりはない。そのような作品を読書の傾向としているつもりもない。が、そのように思われていることを覆すことは、Apprehensibly を Amiably にするくらいの困難を伴うことなので、自己弁護しないでおくことにする。
同書店にて、錆びついて動きを止めたレーダーに引っかからなかった『砂ぼうず』十四巻を発見し、遅まきながら入手に至ったことは余談である。
席を移して、カクテルの店へ。酔ってて思いつかなかったからだろうか、どういうわけか、こちらも地元の老舗だった。タウリン入りがオススメメニューとなっており、五種中四種を試しつつ。
サシで語り合うことなどこれまでなかったわけだが、かつて同じサークルで過ごし、互いにもういいトシになり、それなりに似たような趣味をもっていれば、深夜まで過ごすネタには困らない。
久々に、時間を忘れた楽しい酒だった。
痛土産を頂戴し、帰宅。
アルコールの覚めやらぬまま、かといって眠くもなく、獲得した漫画を読む。
最近はといえば、『新世紀エヴァンゲリオン』十二巻、『ガンスリンガー・ガール』十二巻と、いずれも心待ちにしていた作品を続けて手に入れて、幸せなはずなのに、読んでてちっとも面白くないという、我ながら絶望的な心理状態にあることを前置きしつつ。
『砂ぼうず』十四巻
うすねセンセの作品は全て所有していることを、かつては『コミックビーム』を毎号購入していたことを前置いた上で申し上げれば。
急展開過ぎてついていけんかった。
休載期間中はどうしていたかというと死にかけていたそうで、巻末にそのあたりのことが編集長との対談という形式で語られている。編集長の言葉ではないが、ともかくもまた描いていただけることはありがたい。
末永く描き続けていただきたいものである。
『鎧光赫赫』
「お好きでしょう」なブツ。なんでも言っていいと言われたので言う。
同人作品?
同人作品を数多く知っているわけではなく、それらを否定・非難しているわけでもないことを前置きする。個人的には、たとえ商業作品よりコストパフォーマンスが劇的に悪かろうとも、同人作品はヤマなしオチなしでよいとしている。というか、面白ければなんでもいい。
さて、すべからくエンターテイメント作品は、描きたいシーンを作者が好きに切り取って紹介していいものではあるが、紹介に対価を求めるならば、なんらかの形で終端符は打ってあるべきであろうと考える。
例えば、伊藤真美の『マレフィカールム』はカプコンのゲーム作品を扱い、本編エピソードというべきものを妄想補完した漫画作品であるが、ゲームをよく知らなくても、「シーンの切り取り」漫画であろうとも、この上なく楽しめた作品である。作家の同人的愛情の結露であるように思われるという意味で、本作品がもつ一要素として列挙する。
例えば、岩明均の『雪の峠・剣の舞』は戦国時代の比較的マイナーなエピソード、武将、武芸者をモチーフにした作品だが、エピソードを語り追えてさらに、きちんと始末をつけている。戦国時代を同人的に扱っているという意味で、本作品がもつ一要素として列挙する。
上記二例を、足して、悪い部分だけ残してしまった。
同人作品は、ユーザがその作品の志向するところを理解しているから、作り手は投げっぱなしでも無問題なのだろう。本作品に感じたことは、その背景を十分に理解していないユーザに対して作り手が押しつけた物語を、投げっぱなしで済ますのはどうなのか、ということになるだろうか。
そういう印象を抱いた。
ヒトコトで言うと、キャプテン時代の神埼将臣なのである。
悪くはない。悪くはないが、作者は疾走し、読者は追従を許されない。
そんなカンジなのである。
『狼の口』という作品が「読ませたかった作品」とのことなので、手に入れてみようと思う。
『狂四郎2030』を試しに読み返してみたら、引っ越しのアレ的に全巻読破してしまったことから、まだ終わったわけではなさそうではあると思えたものの、なんの救いにもなっていないことを後書きしつつ。
私的覚書:
『ゆうれいなんか見えない!』
GGOB的な意味で。