でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

Eagle Eye

就職で、進学で、父兄間の対立で、さまざまな理由で道場から人が去った。

増員もあったが、増えた分減ったという印象だ。

これまでもあったことで、気にしたことはなかったのだが、少年部がわりと総入れ替え的になったこと、指導補佐的立場となったことが感傷を招いているらしい。
けっして。けっして女性拳士が激減したからではない。と思う。

ゆえにというわけではない。と思う。が。

此度入門した9歳女子は、どちらかというとお母さんが熱心で、娘はそれにつきあわされている印象がある。お母様の目的意識ははっきりしているようで、すなわち自衛である。自らだけでなく、それを娘にも、ということのようだ。どの辺に興味があるのかさまざまな情報を提供してみたところ、金的蹴りの技法にいたく執心だったことが印象的である。
少林寺拳法を始める前は空手を一年半ほどやっていたとのことで、遠くて通うことが困難になったためにやめざるを得なくなり、どうしようかと悩んでいたところ、お母様のお父上、つまり9歳児のおじいさんが「少林寺拳法をやれ」的な発言をなさったらしい。他の子のことだが、やはり少林寺拳法と縁のあるおじいさんの影響で昨今入門した中学生男子がいる。9~14歳の孫をもつとなれば、60~70歳か。その世代には、好印象をもたれる材料がなにかあるのだろうか。
さておき、9歳児との初対面は最悪で、というのも、初心者的指導をうけもったのだが、眠くて目が据わっている状態での対面となり、やる気どころか興味もなさそうな雰囲気での出会いだった。

どうしたものかと頭をひねり、積極的に近い年の子たちと組ませること、つまり、ともだちを作ってもらうこと、ほめちぎって興味を持ってもらうことに専心することにした。
やる以上はやめてほしくはない。

さておき、空手をやっていたためだろうか、母娘そろって、突き蹴りがなかなかサマになっている。娘の突きは年齢にそぐわぬシャープさで、蹴りも高く上がる。ほめる好材料を得て、調子に乗ってほめちぎったら、ハッスルしてくれて一安心。

と思いきや。

時折、中学生に小学生の面倒をみさせることがある。中二女子に、この9歳児とペアにした6歳男子の面倒をみてもらったところ、ダメぽとの報あり。
9歳児の目が死んだサカナのようになっている。

こりゃアカンと気合い注入。
初心者や子供には無心になにかをやらせるとよい場合もあるらしいこと、指導的立場にある者は自己嫌悪に陥るほど自らのテンションを高めてその熱を伝染させるようにする必要があるらしいことをなんとなく察する昨今、とりあえずは腹を叩かせた。突きの練習と、回避の方法を指導するために、まずは当てさせたわけであるが、驚いたことにこれが正確に水月にヒットする。子供の力とはいえ、水月を叩かれれば、瞬間的に具合は悪くなる。具合が悪くなっているということは、効くところに当たっているということになる。
ペアとなった6歳男子はそうではなく、彼の目の高さあたり、つまりは我が腹筋の一番具合のよいあたりを無心に叩いた。これはこれでよい。が、比較の対象にはなろう。

時折、急所に対する感覚の鋭敏さについて、女性のほうがセンスがあるのではないかと思わされることがある。

これについては、中学生女子二名について前例がある。兄の水月を蹴り抜き、あるいは我が三枚を強打するモノドモがかつて在籍していた。

結局は人による、ということになるのだが、やせっぽちな腕の、思わぬ打撃の威力に、ライオンは雌がハンティングをするというハナシをふと、思い出させられた次第である。