でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

メカ・サムライ・エンパイア

前作『USJ』にはどうにもなじめなかった。ゆえに続刊の存在を知っても手を出さずにいたのだが、第三巻が出版されたことを契機に、もう一度賭けをしてみることにした。

なじめないという表現の理由として、本書を読んで気づいたことを列挙する。

  • 人物、都市などの固有名詞。特に漢字のそれに違和感がある。日本というより中国かヤンキーの文化のようである。
  • 日本的なものに関するコレジャナイ感。具体的にはラーメン屋として藍屋の名称が採用されているあたり。『ブレードランナー』を念頭に置いた意図的なものかもしれないが、どうにも。
  • メカの名称。~級、~號といった単位にシリーズ感や関連性が感じられない。例えば、新型試作機はリヴァイアサン級、機体名称は有国、吉光、助平、包永、村正號というように。この機体名称を使用したいなら、ブレード級とかボーパルウェポン級のようなものが適当ではないかと感じる。一方、旧型はガーディアン級とかジャベリン級とかで、名称から「級」に対する想像が働かない。

本作品は意図したのかせずしてか、ハリーポッターのような展開で、序盤の「ダーズリー家の物置」シーンを乗り越えて面白いと思えるようになった。抑圧からの解放感というのは、物語の主人公に対しても働くようだ。全体のボリュームからすれば妥当なのであろうが、それがいささか長すぎたせいで、なかなか波に乗れなかった。

続刊が楽しみになるくらいには耽溺できたので、良い読書だったといえよう。