でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

魔界転生

出会いは千葉真一主演の映画。幼少の頃。炎を背にした柳生十兵衛の黒影と、出来の悪い天草四郎の飛行する生首SFXが印象に強い(本作品があるから『必殺4』が映えるような気もしている)。

次の出会いは石川賢の漫画版。学生の頃か。表紙がギーガー風のやつ。オチに言いたいことはあるが、至高の逸品であった。「魔界転生」というネタを、うまく料理している。

そして数十年。

せがわまさきのやつ。大先生になってしまったようで、『バジリスク』のような切れ味がなく、ちょっと読んで興味が失せた。

原作となる本作品を読むのは、初めてのことである。
魔界転生」というアイデアは素晴らしい。それに絡めたスーパー剣豪大戦も。ちょっと思いつくだけでも五つくらいは影響を受けた作品が脳裏をよぎる。
その原点にこれまで触れてこなかったのは、予感があったからかもしれない。そしてそれは当たっていた。はっきり言うと、地獄篇第五歌より後はひどい。ぐだぐだ。追われるような連載だったのだろうと強く思う。書いてて楽しかったということだが、ほんとかな。弥太郎柳生行のくだりは辛さが滲み出ていたように思えるのだけれど。
魔界転生」というネタも使いこなせておらず、さもありなん、発表当時は『おぼろ忍法帖』という表題だったとのこと。魔人の扱いが半端で、よくわかんないカンジで倒されていく。柳生十兵衛の人格形成にも失敗している。
基本、原作警察だが、本作品については深作映画作品も石川漫画作品も良い改変を行ったと思う。

余談。
かつてフォローしていた作家について、いつしか山田風太郎が原点なのではないかと思うようになった。あるいはどこかでそのような記述を読んだのかもしれない。その作家はもうフォローしていない。というのも、どんどんとやっつけになってゆき、シリーズ物でも核心に迫らないということが続いて、おそらくこいつはなにも考えていないと悟ったからである。
本作品を読むに、そういうところまで映しとらなくてもよかったんじゃね?と思わずにいられない。
そういうことから予兆を読み取っていたから、原典を避けてきたのだと思う。