でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

ナポレオン時代

フランス革命後のフランスの歴史についてすっぽり抜け落ちていることに気付いたのと、わりと推している作家がなにかというとナポレオンを引き合いに出すので、なにか文献をあたらねばなるまいと感じていた。
ちょっとぐぐって良さそうと思えたので選んだ。

本書の趣意とは異なるが、昨今読了した『大英帝国の歴史』に関連するのではないかと思われる記述が目を引いたので引用する。

 一方、地方に封じ込められたある集団がいた。フランスで拘束されたイギリス人旅行者やアミアンの和平条約の破綻によって抑留された人々だ。メイドの服を着て逃れたアーガイル侯爵のように運よく逃げ延びた者もいたが、パリの歓楽街で旅行団体からはぐれてしまったところを発見されると、誰もが逮捕された。逮捕された多くはヴェルダンの古い要塞に収容された。こうした人たちに対する待遇はよく、英語で芝居を演じたり、周囲の野山に出かけてオオカミや野生イノシシを狩ることもできたりして、彼らにしてみれば「田舎で休暇を過ごしている」かのようだった。ポーツマス〔イギリスのハンプシャー州の港湾都市〕の牢獄船やその他の施設に収容されたフランス人捕虜の扱いとはかなり対照的である。

P.211

これが事実かどうか不明だが、事実だとするならば『大英帝国の歴史』の著者には知識か誠意の欠如があるようだ。

さて、本書の著者はナポレオンに関する他の著作があるようで、ナポレオンの生涯や栄光についてはそちらを参照せよということらしい。本書はのっけから飛ばしていて、小説でいうなら「登場人物の人となりはもう知ってるでしょ、さあ冒険だ」ってなもんで、わりと知見に乏しい身の上としては泡を食った観はある。一定の知見を獲得している読者、そうでなくても、そういう出来事もあったんですねと読み進められるタイプの読者なら気にせず楽しめるであろう。

軍人としての名声、ベートーヴェンがオマージュを破棄したこと、百日天下など有名なエピソードを知ってはいても、彼もまた独裁者の多くがやってしまいがちなことを免れなかったことはあまり知らなかった。たぶん、レプカとかムスカのモデルだよね。