でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

ベルガリアード物語とマロリオン物語

再読。

何年か前に『魔術師ベルガラス』全巻と『女魔術師ポルガラ』をちょっとだけ読んだ。
楽しむよりもこんな雰囲気だったっけというような違和感のみを覚えて、後者を読破できなかった。

前年末、唐突に『ベルガリアード物語』を読み返したくなり、読み終えたら物足りなくなって、これまで意図的に避けてきた『マロリオン物語』の再読に至った。
ほどよく忘れていることもあろうか、前者は何度目かの再読であるにもかかわらず面白い。だが、後者には初読の時と同じような印象を抱いてしまうことを禁じ得ない。
物語の骨子をではなく、登場人物の掛け合いを楽しむ作品であると自分に言い聞かせたぶん初読の時よりは穏やかに読み通すことができた。
予定調和という言葉で表現される風味を持つ物語が肌に合わないことは自覚している。前者も同じ構造であるはずだが、後者ほどではないということなのだろうか。

近頃は、翻訳者は必ずしも文芸を嗜むわけではないことを、広く知識を持っているわけでもないことを、欠けた知識の補完に熱心に努めているわけでもないことを理解できるようになった。本作品の訳にも残念な箇所がわりと存在し、武器や専門用語的な箇所についてはいたしかたなしとしても、「そうじゃないか、友よ?」とでも訳しておけばいいものを「そうじゃないか、友だち?」のようにしているのは翻訳に流儀があるとしても残念極まりない。

20年くらい前、『マロリオン物語』の予定調和臭に辟易してその後は読まなくなってしまったが、他の作品に手を出してみる時かもしれない。