ヒロインの造形に失敗したことが影響してか物語としての収束はなんだかなあというカンジではあるけれど、とても面白かった。漫画のタイトルにしちゃってるからハナ縛りになっちゃったけれど、ヒロインはジュリアでよかったんではないかと思う。
液体窒素を頭からかぶる描写とか、この作家がときおりというかわりと頻繁に見せるガサツさ(褒め言葉)とそれを表現する大雑把(褒め言葉)な画がとても好きだ。
かつてPCを自作していた時にも、とんがった性能であるよりも安定していることを望んでいた(そうでなくても当時のWindowsはよく落ちた)こともあり、CPUのオーバークロックをやったことはなく、興味もなかった。巷で耳にした、熱でCPUが蒸発したとか、そんな話にすげーと笑っていた程度である。
液冷についても同様、見た目は面白いが、そういう仕組みが必要な使い方はしていないため、よく知らない。古いMacを金魚鉢にしたツワモノの意気に感じ入った程度である。
ゆえに、オーバークロックしたCPUの安定動作を電子制御とかではなく職人芸でやっていることは意外ではあった。それはまた本作品のキモでもあるが、地味でいまいち映えない。変顔で止まるとかいうネタでカバーする当たり、制作サイドも理解していたようである。
そういえば、『ブルー・ソネット』だっただろうか。GEEKがすげーコンピュータを作ってうかつに電源入れたら周囲一帯が停電になったという描写があったのは。地味ではあるが、当時では現実味のあるSFっぽい演出であったなあと思う。
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