でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

読物 『王と最後の魔術師』

イケメンの同性愛者が、複数組、登場するのは、いい。エレン・カシュナーだから。

ダーコーヴァ年代記シリーズ読中、唐突にマクー空間に放り込まれた若輩の日より、読み手も幾分かは薄汚れている。アン・ライスの別名義作品に気軽に手を出してこっぱみじんにされたあの日より、幾分かは鍛えられてもいる。

わかって手を出す分には問題はない。

そう思っていた。ダメだった。成分が濃すぎた。脳内で「かめろんめろんああかめろん」がリフレインする。

さておき、書き手が挑んだことは、なんとなくわかる。あまりうまくいかなかったようだとも思う。

かつてTRPGをやっていたころ、個人的に挑戦していたことに似ている。魔術を、現代戦のパロディではなく、お伽噺とも違う、身近にあって遠い、神秘的なものとして描くことだ。神秘的なものでありながら、学術的なもの、理論的なものでもあると表現することだ。失われたもの、そうなりゆくものへの憧憬をこめて。

うまくいかなかったために、物語は一人のピエロを要求し、しかも未完となってしまった。

未完となっているのは計画的なことかもしれないが、続編を匂わせるのではなく、応援次第で続編あるよ、というふうなのはファンというわけではない読み手に対しては不誠実だと思うのだ。きちんと完結させ、続きも読みたいと思わせてほしいのだ。

『吟遊詩人トーマス』はとても好きだったのになあ。