でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

読物 『クトゥルー神話ダークナビゲーション』

クトゥルー神話を知るきっかけになったのは、菊地秀行か、TRPG関連の情報からであろう。前者なら中学時代に、後者なら高校時代に初読だったことになる。この頃は著者が誰とか気にせず読んでいた。中二病にわかりやすいダーレスを好み、ラブクラフトはそうでもなかった。

個人的に印象深いのは『ティンダロスの猟犬』である。

当時は実家に住んでおり、実家には二世帯住宅と、祖母の姉のための小さな家があった。祖母の姉が亡くなり、半ば物置と化していた小さな家の一部屋が、高校生となった我が私室として与えられた。壁の二面が昭和中期っぽいかんじのガラス戸で、冬はかなり寒い。

秋も深まったある夜、『ティンダロスの猟犬』を読んでいたとき、カーテンを引いたガラス戸の外で、すぐ外で、犬が匂いを嗅いでいるような音が聞こえてきた。飼い犬はおらず、家の周囲には塀やら門やらがあって、それまで野良犬が立ち入ってきたようなことはない。謎の音源である。

来たのか猟犬!?な思いにとらわれ、カーテン越しに音源のほうをみつめていた。ややあってそれは消えたが、実に思い出深いエピソードである。

青心社のハードカバーから入って、ちらほらとつまんでいるうちに幾つかシリーズがあることを知って、どれがなんなんだかよくわからなくなって、興味が薄れた。以来、固有名称について怪しかったりする程度の嗜みとしてきた。

TRPGクトゥルフの呼び声』も、エピックっぽいヒロイックを好む性としてはどうにも楽しめず、ほとんど遊ばなかった。

当時も幾つかガイドブックが発刊されていたが、興味が薄れた後であったために拾い読み程度しかしていない。

本書もガイドブックであるが、久々に触れたためか、非常に興味深く読むことが出来た。これまで知らなかった著者たちの人物像、創作の背景について記述があったことも特筆すべき事である。白星三つというところか。

ただ、とにかくやたらと『デモンベイン』をもちあげていることが気になる。個人的にはアニメの冒頭に「アル・アジフなるヒロイン」が登場した時点で挫けた作品であり、同作品について語れるほどの知識は持ち合わせていない。が、そのために、この一点で本書に二つ黒星を与えたいという心象がある。

とはいえ、触れてみようという気にはさせられたので、そのうちなにかの形でリトライしてみたい。