でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

駄文 『ヒトを観抜く 武術の読み』

著者は研究家を称している。

研究家の文章ならば、研究発表であろう。少なくともタイトルからはそのような印象を得る。エッセイでなどあろうはずがない。そのような前提において、本書は典型的な資源の無駄遣いである。

研究発表ならば、一種の論文であろう。文章の専門家ではないかもしれないから、この際、文章の巧拙、表現の方法については二の次としてもよい。

しかし、論文であるからには、矛盾、ダブルスタンダードは許されない。本書においてこれらはいずれも、「オレはいいけど、オマエラはダメな」という風に収束する。たとえば先人が武術の奥義を秘伝とし隠したことを非難した後に、「そういうものを迂闊に公開するのは危険だからオレは慎重な態度でいるのです」という。先人が同様に考えたかもしれないとは一顧だにしていない。

以上のような理由から、論文の一種として本書を読んだ場合、冒頭において本書は破綻している。そのような文章を信じる性癖はない。よって主張については一切考察の余地をもたないが、雑学として、蘊蓄を楽しめなくもない。武術研究家などと称せず武術オタクと称して、技術書ではなく雑学書として発刊されていれば、読み手たる我が身の態度も違ったことであろう。

出版社がどういうつもりでこの本を出版したのか不明だが、なんらかの意思表明が必要と強く感じられる。どんなにひどい本を掴まされたとしても、メンコにしたり、破きたくなる程度で落ち着くのだが、このようなことを思わせる本に出くわしたのは初めてのことで、はっきりいえば焚書にすべきである。

薦めてくださった方には申し訳ないが、この本のどこがよくて推したのか、問い詰めざるを得ない。

ここ数年、軍隊が求める人材についてのアレを、何冊かの本で異口同音に目にしてきた。それらのいずれかからゼークトの組織論として紹介されたような覚えがある。

本書の著者は、無能な働き者に属すると思われる。