でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

土鍋で炊飯

結論からいうと、ものすごい幸せを感じてしまった。
そういうことなのである。

我が独居には電子炊飯ジャーはない。
というか、食器もまともにない。小どんぶり一つ、皿一枚、スプーンとフォークと箸がそれぞれ一つ。湯のみが一つ、マグが一つ、グラスが一つ。箸だけが高級品で、母がくれた漆塗箸で2k級。
食生活が未設計だったため、実家から最小限の持ち出しとした。

独居開始から一ヶ月のあいだに必要に応じて揃えた調理器具は、手鍋が一つ、おたまが一つ、包丁、まな板が一組。調味料は、塩、砂糖、胡椒、コンソメ、味噌、こんぶだし。どうでもいいが、砂糖は使っていない。
作った料理はスープとうどんのみ。
日々、白米を食していないわけではないが、ある日、唐突に、飯を炊きたくなった。

炊飯器を買うか?

そういえば、近頃、土鍋で飯を炊くとうまいという話を聞いた。

そうだ、土鍋にしよう。

普段はDIY店で食器などを買うのにためらいはないが、土鍋となると、陶器を専門に扱う店がいいのではないかなどという思いがもたげたりする。ミーハーだ。

とりあえず最寄りのDIY店で物色することにする。
そこで、炊飯用の土鍋を見つけてしまった。見つけてしまったのだ。

土鍋は汎用性の高い道具だ。
が、炊飯用はどうだろう。

若干の迷いはあったものの、他と比較しているうちに初心を思い出し、炊飯専用でよしとする。逆も真なり、やろうと思えば転用は可能だ。

帰宅後、早速試す。
米を研いで30分水に浸す。計量カップもこの機に手に入れたが、無洗米とそうでないものは扱いが若干異なるらしい。
一合は10分程度中火にかける。10分待たずとも沸騰したら火を止めよというが、よくわからない。おそるおそる10分待ち、火を止める。15分蒸らす。

Civ4BtSをやりながら待つ。
隣国のワシントン国を蹂躙し、オラニエ公国を滅ぼし、今はラグネルと遊んでいる。余談だが、皇子レベル。

その昔、梅雨時に一週間部屋を開けた男がいた。なにやら夜間就寝中、「××ちゃんがしんだの~」とかケタケタ笑う女の声を耳元で聞いて、方替えに友人宅を転々としていた。
耳元に聞いた声が幻聴か別のナニかはともかく、呪いは確かにあった。炊飯器にセットしたままのコメが菌色に染まっていたというのである。

そんなカンジで、びびりながら蓋を開けてみる。
うまそうなにおい。お焦げの香りもする。

焦げといえば、電子炊飯器が生成する、水垢のような茶色っぽいぬるぬるはそれであると、幼少時に教えられた。釜の飯を経験した世代である父母もまた、それを説明するのに難を極めたことだろう。おそらくは何も考えずに「焦げ」であると説明したに違いないが、つまり「ご飯の焦げとは食う気にならないシロモノ」であると刷り込まれたわけだ。

その後、飯盒炊爨を実体験するまで、この情報は更新されなかった。「お焦げ」とは魅惑的な味わいのあるものであることを知らなかったのである。もっとも、初めての飯盒炊爨は焦げまくりで、いささかできすぎではあったのだが、それでも焦げの印象は改まった。

軽く焦げのついた一合の白米に、職場でもらった「食べるラー油型新商品」(生姜系)と、肉入りの汁を具す。
いろいろとある日本国だが、このときばかりは、日本人に生まれてよかったと思うのだ。
卵とか納豆とか買ってこよう。