神の供物その2
何故にと問う。故にと答える。だが、人が言葉を得てより以来、問いに見合う答えなどないのだ。問いが剣か、答えが盾か。
クッキング――
この、危険な道楽が、これこそがこの世に似合うのか。
今回『ゴマダンゴ』
夢ちゃんが「けっこう大変」というだけのことはある。
こねる。ひたすらこねる。練る。練りまくる。
なんでこんなことはじめちまったんだろうという念が来ては去る。
白玉粉のつぶをすりつぶす作業は話に聞く鉄砂掌の修業を思わせ、明らかに鍛えられていく筋肉の感覚と逃避できぬ現実から萌芽した哲学はいつしか料理の神との交信を阻害し、へひぃとかけくっとか叫ぶ神そしてアストラギウス銀河の神と混信していたように思う。
知らず三昧の境地きたりてはや一刻、できたてを食して賛美の言葉を思い出す。うまい。
さすがに買いもとめたこしあんが余りまくり、なにも考えず暇つぶしにはじめて手荷物を、やがてはバンクを圧迫してやめるにやめられなくなったNorrath世界での料理をふと、思い出した。