でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

読物 『特務機関』

 これ以上の苦しみはないだろう。死一等を減じられた代償として、日本人として扱われないという運命をあたえられたのである。日本人との断絶、肉親との断絶、靖国の神のままアパカに流刑の身となった。

――語られざる実話「日本人を捨てよ」

特務機関という言葉の響きには、いわゆる諜報機関のイメージを抱かされる。
それは間違いではないようで、しかし、そのいかめしい耳触りとは裏腹に、実情はお粗末であったようである。せざるをえなかった人々の必死の努力は、広大な大地と過酷な環境、彼の膨大な人的物的資源に比して卑小なる我という実際に阻まれ、思うを果たせない。

本書は、外蒙国境に配属された兵士たちが、戦後に著述を提供しあって編まれたものだという。そこに語られているのは、どことなく特車二課のありようを想起させられる、非日常を日常とした人々の日常の風景である。