でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

教養としての「ローマ史」の読み方

もう何年も前のこと、現代で発生していることをいろいろと考えていて、あるとき、目の前にあるものを追っても過ぎ去りゆくばかりで追いきれない、どうやら前の時代を知らねばならないようだと思うようになった。前時代を知るとさらに遡る必要がある。

日本についていえば、第二次世界大戦日露戦争日清戦争と遡り、シベリア出兵などに触れて、帝国主義というものを当たらねばならないようだと理解した。「俺らはいいんだけど、お前らはダメ」という「国際社会」のスタンダードも理解した。
ともあれ、そうなると世界史である。

世界史は範囲が広すぎてどうにも手がつかないように感じられているが、帝国主義といえばとりあえずは西欧でよかろうと着手した。西欧についていえば、とりあえず見えている根っこは「キリスト教」と「ローマ」であろうというのが自身の現時点での理解である。

例えば、ヨーロッパの暗黒時代というものがある。ゲルマン人の大移動によってローマが衰退し、ローマが培った知識や技術が失われ、それを取り戻し凌駕するまでに千年以上を要したというアレである。

なぜローマは滅んだのか。なぜローマに代わる知識や技術がすぐに生まれてこなかったのか。その背景に見えるのがキリスト教だ。正確には権力を志向したキリスト教、かもしれない。

一神教という性質をもつがゆえのキリスト教の不寛容、それに由来する頑迷さは、神を少しでも否定する要素を含む言及を許さない姿勢しか取れない。キリスト教がいうところの迷信は、彼ら自身の教義そのものである。

本書は、ローマの起源から崩壊まで、どのような時代の変遷があったのかを推敲するものである。建国直後は隣の国から女性を攫ってくるような野蛮人(当時は当たり前だったらしい)だった民族が、国土を広げながら他民族を受け入れていく。その過程で寛容を自らに課すようになった。
これはイギリスが帝国主義を説明する文脈と置換可能な気がする。最初は略奪してましたが、それではうまくいかないので弱者を怒らせないよう紳士的に扱い、うまく搾取しましょう。これは当時は当たり前の作法だったのに、それを真似したら先輩面した「先進諸国」が調子に乗った「後進国」を叩いたのがアレ。おまけに、400年かけて紳士的にふるまえるようになった国が、40年足らずの若輩者が粗暴すぎたとマウントする。
ローマは西欧の原風景なのだろう、今でもきっと。

次はどのあたりを当たればいいのかなあ。