でぃするだいありー?

そんな気はないんだれど、でぃすっちゃってる。 でぃすでれ?

星界の戦旗VI

Vから5年。間を問うよりも、続刊があることをうれしく思う。
かつて、続き物は長く間を置かず発表されるものと思っていた。完結させるのがパブリッシャーを含めた発表側の責任だと。やがて、そうではないことを知り、長く続きすぎて腐れ果てたりすることを知った。多くの失望を知り、身の内にもはやかつての熱量を有していないとしても、発表されればうれしいものはまだいくばくか残されているし、それが満足できるものであればとても良い気分になれる。

 

戦闘民族とそうでない政治形態の違いが持久戦で顕現するというのは、変な理屈や超兵器に頼らずして勝利する図式としてわかりやすくてよい。彼我の艦種選択の差異が戦局に影響を与えているようだというのも説明的でない描写があり、好ましい。


かつて、本シリーズについては「ラフィールがジントの飾りになってしまった観がある」という印象を得た。戦旗IIIあたりだ。
今回抱かされたのは、「有能なものを描写するために他者をおとす描写がなされている」ことであり、これは推理小説や事件ものに多く、また、フィクションの戦記物にも多い。今後どのような展開を迎えるにしても、これはラフィールを玉座に就けるためのわかりやすい理由付けであろうが、アーヴが急に無能になってしまった印象がややある。すべて孔明の罠であってほしい。

 

あと四巻くらいで幕だろうか。ということは二十年か。生きていないかもしれない。

 

星界の戦旗VI 帝国の雷鳴 (ハヤカワ文庫JA)